SUGO6

ノマドランドのSUGO6のレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
4.0
ゴールデングローブ作品賞の呼び声通りの良作だった。フランシスマクドーマンドのご年齢や容姿がこの役柄にまさに、という感じでリアリティある作品になっていると思う。実際に原作者のジェシカ・ブルーダー氏は執筆にあたり3年間、ノマドライフを経験しさまざまなそうした境遇の人々と会話を重ねたそうだ。
https://hbol.jp/241528

リーマンショックにより増加した米国内で彷徨える高齢ノマド達を扱うテーマなので、原作が出たという2017年がリーマン後数年経ち比較的社会にも反響するタイミングだったのだろうと思うのだが、映画制作という比較的時間のかかるクリエイティブ故に、コロナが発生した今、このテーマが最も脚光を浴びる作品となっているのは少し意外な気がしないでもない。(特にそうした賞レースが光を当てる作品として)とはいえ、作品の最後で語られるノマド、というコミュニティに対する解釈が詩的で大変美しく、自らを信じて生きていく、という今の時代の生き方にも通じる普遍性を包含している所が評価されているのだと感じたし、個人的にはとても好きな作品になった。

ノマドとして自由な生き方を体現する一方で、貨幣経済からは逃れられない事実。(主人公ファーンが現在経済の代表者の一つであるamazonで働く所など)綻びが起こり始めている現代資本主義社会に対する投げかけは今を生きる私たち皆がこれからも引き続き向き合い葛藤し続けることになるだろうし、こうした作品でもたびたび出てくるテーマとなるだろう。

※あと制作にも入っているデイビッドストラザーン(グッとナイトアンドグッドラック、ボーンシリーズ以来に見たけども)ほんとにイケ渋おじ様だなぁと改めて思った...(こんなダンディーなノマドいるのかしら😅)
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