これは観る人によって心に引っ掛かる場所が違いそうだし、私自身も10年後に見直すと全く違う感想になるであろう、余白の大きな映画。
大きなスクリーンに映し出される美しくも荒涼な大自然と、ファーンを始めとするノマドたちの顔に刻まれた皺がよく似ていた。単純に割り切ることのできない「生き方」について考えさせられる。
根底にある大事な人や場所への思い、彼らを取り巻く大きな社会のシステム。淡々と進んでいく映画なのに、想いを馳せるきっかけとなるフックが沢山仕込んであるように思えた。
そうそう、「詩」や「音楽」はシンプルな生活の中においても心を潤したり動かしたりする力があるんだなとも思えた。
心にじわじわ染み込んで長い時間心のどこかに引っ掛かり続ける、賞味期間の長い映画だと思う。
