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老後・終活どうしたものか」との思いに駆られて観ていた人が多いのでは。私ですが。
この人には選択肢があるではないかと羨む浅薄を捨て気付くのは「選択肢なんてあるようで実はない」こと。人は生きてきた諸々を経て今、その人となっている。生きてきた道程の上に、その人が在る。他者であっても自身であっても、それは尊重されこそすれ無視できることではない。
それにしても景色の美しさよ。荒涼さすら胸を打つ。少し荒削りな無骨さも繊細さも併せ持つファーン、ノマドの過酷と現実を掘り下げてなお深く刻まれる一篇の詩のような映画でした。
国家や現代の問題提起を深掘りせず冗長さを避けて背景ベースに留めていたのもかえって沁みてくるようで好みだった。大体フランシス・マクドーマンドが良過ぎな。
