chanmasu

ノマドランドのchanmasuのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.7
この映画自体の作りが定まる事を許さない。当たり前の事を書くなと思うかもしれないが折角の美しい風景も、舐めるように見せてはくれない。結構すぐパッと切り替わるし、ドラマパートでもカット結構割っててそこがずっと引っかかってしまった。
もうちょっとゆっくり見せてくれよ!という。人が飯を食う動作もオミットせず行為をただ写すタルベーラみたいなものも期待してた節があり、本作は逆にそういった所作もきっちりカットしてテンポよく進んでいく。てっきりテレンスマリック的な超越的な視点を交えて話が語られる!と思っていたら引きの画より人の交流が描かれるドラマパートの方がちゃんと多かった。周りの人々は結構ユーモアに描かれててちゃんと観る人の目線で作られた映画。彼女を通して浮かび上がるアメリカ批評でもありました。西部開拓時代のような放浪生活、物流倉庫で働き賃金も多くは無い。彼女が家を持たないマインドなのは車が家の代わりだから、ではない。"ホームは心の中にある"は分かりやすいセリフでした。
たまに寄り道して人と交流して出会い、別れ、また終わりなき道を行く。そのまんまあの道路=人生。
chanmasu

chanmasu