鷲尾翼

ノマドランドの鷲尾翼のレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
4.0
【まとめシネマ】#398

【まとめ】
* 憧れと現実が混じる「遊牧民」
* ラスト一言に全てが詰まっている
* 広大な孤独を感じるドキュメント

第93回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞の主要3部門、他多数の賞を受賞した話題作。

本作で語られるのは「遊牧民(ノマド)」
遊牧民になる理由は様々だがフランシスマクドーマンド演じる主人公・ファーンは企業の倒産をきっかけに、住む場所を失った苦労人。ある人が観れば、近代のソロキャンプブームに近い世界観だが、その実態はホームレスに近いもので、憧れと現実が混じる気持ちになる。

本作は実際の遊牧民の人がキャストで出てくるともあって、ドキュメンタリーのように語られ、本作のメッセージが少し受け取りにくい部分がある。そんな時にラストのある一言に作品の全てが詰まっている。

「別れるときはいつも『またね』といい、決して『さよなら』とは言わない」

本作は、ロードムービーでもありながらその広大な孤独を感じ、受け入れるドキュメンタリー。観終わった後は、どこか清々しく、どこか哀愁が漂う。
鷲尾翼

鷲尾翼