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ノマドランドのazitarouのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
4.3
生活という日々の摩耗で装備品の耐久値がガリガリ削れる圧倒的オープンワールド感。社会から一歩外れれば死と隣合わせの自由の国を体感できる映画であり、どれだけ大自然の景色は美しくとも排泄物を捨てるバケツは欠かせず、タイヤはパンクし、皿は割れ、それでも生きることは辞められない。いつかやってくる"終わり"を迎えるためにキャンピングカーに寝泊まりする日々。あまりにも自然過ぎる日常や台詞から等身大の人間を見せつけてくるので本当に恐ろしい。

警鐘を鳴らすわけでも問題提起するわけでもなく、ただそうする人がそう生きると決めたことを静かに見守り続け、出会いと別れを繰り返して季節は巡る。歩み続ける。
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