心に染みましたわ。
失業、夫の死と言った人生の喪失感を旅に昇華し生活する生き方をしている主人公。その儚さに、広大で美しいがどこか寂しい大自然ともの物憂げなピアノの旋律で表現されて、感情が揺さぶられた。
主人公がノマドだからと言って、その生き方を全面的に肯定するような話でもなく、そういう生き方もあるよねと寄り添ってくれる優しい語り口だった。
なかでも終盤の結婚式での詩とボブ・ウェルズの語る“see you down the road”の下りはかなりグッと来た。この道の先でまたねって言う表現、希望に満ちてて良いよね。
退屈だという意見は確かにあるかもしれないが、少なくとも今の自分にはこのゆったりとした静かな映画はとても刺さった。
