LydonPark

ノマドランドのLydonParkのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
4.0
様々な事情で、社会との関わりを最低限に控え、ノマド(放浪者)として生きる人々にスポットを当てたドキュメンタリータッチな作品。

ノマドの多くは、家族との死別や年齢的に労働者として社会から必要とされなくなり、放浪しながら生ながえる選択しかなかった人々。

現代では、孤独は悪いという風潮があるが、しかし生物は本来、放浪しながら生きながらえて来たのではないだろうか、生きることは悲哀を伴う孤独なものではないだろうか。

この映画は、何か明確な答えを示してくれるものではなく、見た人それぞれが何かを感じる作品だと思います。

登場人物を気の毒な人達と見る人もいるだろうし、自由な人達と見る人もいる。

個人的には、作中の余命を宣告された老女が語った「沈む太陽や飛ぶ鳥達、美しいものをたくさん見て来た悔いはない」というような言葉の美しい物の形容が、

ありふれた日常の中にある物だということに、ハッとさせられ、感性が豊かだなと感じました。
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