このレビューはネタバレを含みます
フランシス・マクドーマンドの迫力が好き
ファーンは無骨で、頑固で、無愛想であると同時にお茶目で、思い遣りもあってわかりやすく人に信用されて愛される人間なのに、さまざまな偶然で深い孤独に突き落とされたという理不尽さが描かれていて本当に寂しかった。
エンパイアでのパートナーとの生活はとても幸せなものだったんだろうな、と思う。姉から投げかけられる視線から、カメラに残っている写真から、彼女が途中でカウボーイ風の少年に暗誦するシェイクスピアのソネット18番「君を夏の日に例えようか」の端端から伝わってくる。最初に口ずさむ聖歌も、元々は教会に通ったり、クリスマスのお祝いを家で行っていたのだろうなということが窺える。それがノマド生活の寄りどころの無さを強調していた。
RTRの人たちのシーン。生活を分け合いながら悲しみを分かち合うことまでは出来ないところに深い孤独が現れていて、それが寒そうな風景とマッチしていたのがとても良かった。
砂漠の風景っていうと「パリ・テキサス」や「シェルタリング・スカイ」「バグダッド・カフェ」「ギルバート・グレイプ」等を思い出してしまうけどずば抜けて青白くて寒そうな砂漠🏜！
