がんびーの

私というパズルのがんびーののレビュー・感想・評価

私というパズル(2020年製作の映画)
3.8
橋がかけられ、りんごの木が育つ。
いくら悲しいことがあっても時間は進む。

マーティン・スコセッシ総指揮のNetflixオリジナル映画。

自然な形で赤ちゃんを産むため自宅出産を望んだマーサ。
しかし不幸にも生まれた赤ちゃんが生後数秒で息を引き取ってしまう。
出産を手伝った助産師の女性の過失ではないのかと、マーサの母が裁判を起こす。失われた命。拭えない悲しみ。当てどころのない怒り。多くの負の感情がマーサを遅い、彼女は次第に心をと閉ざしていく。

マーサのお母さんの言い分もわかる。裁判で正しい判断を下してもらって、社会的に(というか世間的に)マーサは何も悪くない、ただの被害者なんだということを証明したかったのだろう。そうすればマーサも自分を責めなくて済むだろうから。

マーサもきっと母の気遣いを理解はしてただろうけど、そんなのただのお母さんの願望であって、最愛の娘を自分の腕の中でなくした自分の気持ちは何も考えていない、って一番感じたのだろう。この悲しみを乗り越えるには、自分が変わらなきゃってのをわかっているからこそ、どうにもできなくて自分を責めてしまう。というか悲しみの規模がデカすぎるよな。自分にはそこまでの失意を感じた経験がないからわかんないけど、死産って言葉で言い表せないくらい辛いんだろうな。

展開はどんどん悪くなるばかりで、画面から目を背けたくなるシーンもいくつかあったが、最終的にマーサが生きる喜びを取り戻せてよかった。

伏線回収が良い。
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