子を亡くした女性の心情を
繊細に丁寧に描いていて
心が締め付けられた。
生まれるまでも不安と隣り合わせで
生まれた喜びは一瞬で消え去り
そのあと、本当の意味で
彼女の心に
寄り添ってくれた人は
いたのかな…
立ち上がれるタイミングは
自分にだってわからない。
枯れた心を映すような
部屋の様子が辛かった。
子を亡くした哀しみは
同様に夫も感じるものだけれど
十月十日共に過ごした
母親にしかわからない哀しみって
あると思う。
家族は彼女の心に寄り添うより
裁判に向いていて
一番デリケートなことを
他人に土足で踏み荒らされる。
静かに静かに
前に進む姿が強くて痛々しかった。