怖いというよりは絶望。
胸糞というよりは呆然。
淡い希望を抱く度、
完膚なきまでに叩きのめしてくる展開。
光なんてない。諦めるしかない。
ただただ暴力に屈服するしかなく、
徐々に感情さえも無くなっていく感じ。
今作は少なからず
メキシコの現状を映しているであろうことが恐ろしい。
幸せなはずの結婚パーティーが一転、
殺戮と略奪の地獄絵図へと変わる。
当たり前だと思っていた秩序が、
ある日突然、新秩序に塗り替えられる。
治安を守ることを目的とした、
暴力と戒厳令と、大量殺戮。
可能性は極めてゼロに近いかもだけど、
きっと、ゼロではない現実。
『死者だけが戦争の終わりを見た』
人間は死なない限り争い続ける生き物だ。