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街角の盗電師のmachannnのレビュー・感想・評価

街角の盗電師(2013年製作の映画)
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この作品のタイトルにもなっている”盗電師”と”電力会社”が対極的に描かれていましたが、どちらにも相応の言い分があるため、「盗電」「違法配線」「滞納」、簡単に解決できる問題ではないと感じました。

女性官僚のリトゥ・マヘシュワリは地元の人々から滞納分を徴収し、盗電している人には罰金が科せられるという政策でKESCOの損失を取り戻そうと試みてましたが、それは現状維持にしかならず、事前的配慮が欠けていると思います。なぜなら、違法な行為をしているのは、そうせざるを得ない状況にいるからです。盗電をするのはなぜか、滞納者が多いのなぜか、その原因を突き止め、改善しない限り同じことを繰り返すだけです。これらの根底には貧困が垣間見えます。日雇い労働者が多く、1日2食のみというのはこの作品でも触れられていました。これらのことから私は安定した職がみなにあるのが重要だと感じました。そうすることで、安定したお金、安定した日常を獲得でき、配給会社も発電設備を整うことができ、盗電が減れば停電することが減ると考えます。簡単なことではないですが、勝ち負けでたたくのではなく、両者がお互いの声に耳を傾け合うことができていないのではないかと感じました。
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