典子

ブラック・スネーク・モーンの典子のレビュー・感想・評価

4.3
サミュエルが唄うブルースがこんなに良いとは。
妻を寝取られ頑固親父のサミュエルLジャクソンと、虐待を受けたセックス依存症のクリスティーナリッチの話。
セックスが絡まない関係を深く成り立たせるのが一番難しくて、絡んだ関係は案外簡単なもので。セックスが絡むと関係はそれ以上にならないからね。それしか知らないクリスティーナリッチ演じるレイに必要だったのは、自分を性欲の対象として見ない、対等な付き合いが出来る人間だったんでしょう。
そんな人間であるサミュエルLジャクソン演じるラザラスが示した道だからこそ彼女の力になれた。
道を提示することは出来ても人を変えることは出来ない。何を選択するかは自分次第。
頼りない彼氏がレイに必要なこともラザラスはわかっていて、最後までプラトニックなのに深い二人の関係が最高。
B級っぽい血祭り映画かと思ったら、良い意味でイメージとは違うとても良い映画でした。
典子

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