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BREAK THE SILENCE: THE MOVIEのmaiのレビュー・感想・評価

BREAK THE SILENCE: THE MOVIE(2020年製作の映画)
3.7
テレビやYouTubeなどのメディアでしか彼らを観たことがないけれど、とにかくカッコいい。パフォーマンスが完璧なのは言うまでもないけれど、個々人の意識がすごく高いのと、姿勢が謙虚なのは一目瞭然です…!
そういう点で、彼らがいかに成功に対して「自分だけの力ではなかった」と謙虚に構えているかが分かります。また、良い意味で上昇志向の塊でないのも良いのかもしれません。
個々人として成長していくには?を考えつつも、その成長というのがグループに帰結していくのです。ここが今までのグループとの違いで、彼らの良さなんじゃないかなと思いました。
彼ら以前のグループは、公開オーディションでソロデビューできなかったグループだったり…でした。良い意味でも悪い意味でも、最終的には個人としてソロ活動をしたいと考えている人たちです。だからこそ、個々の魅力が結集する姿がカッコ良かった。一方で、K-POPでは個人個人というよりも、そのメンバーが集まることで完璧なパフォーマンスが生まれます。個人でダンス、歌唱力と武器を持っている上でバランスが完璧なんです。明らかにグループとして売っていくことを前提にしたものです。
彼らもそれをわかっているし、自分たちの影響力や評価もちゃんとわかっています。
だからこそ、あんなに堅実な考えができるんだろうなぁと思いました。

映画中「イカれないようにする」という言葉が印象的でした。お金もあって人気もあって…でも1人の人としての自分とステージの自分は違うのだと「分離させる」という話の流れからですが、メンバーとしての自分を輝かせる一方で、自分自身としては今のままを維持するという考えが意外でした。

この映画の残念な点を挙げるとすれば、まずは字幕です…違和感ありまくりで苦戦しました。
「みなさんがくれた関心に感謝します」
「難易度を超える」
とか…推測は容易なのですが、一旦自分の中で
「みなさんがついてきてくれて嬉しいです」
「高い壁を超えてきた」
のように噛み砕かなくてはいけないのはしんどかったです。
また、もう少し内心に迫ったクロスリンク的なインタビューを期待してたので、あくまで個々人へのインタビュー(しかも質問事項は一緒)で終わってしまってるのは残念でした。あれであれば、雑誌の特集企画みたいな感じのインタビューと変わらない。

特別料金なのでなかなか手が出ない作品だとは思いますが、一大ブームを作って、確実に語り継がれるグループですし、全世界的に「音楽グループ」の新しい枠を生み出したk-popのトップアーティストの現在が分かる良いドキュメンタリーだと思います。
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