やなあき

海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版のやなあきのレビュー・感想・評価

-
1回目みたときには気づくことができなかったこの映画の有限/無限というテーマ。そして有限性と創造性にはつながりがあるということ。

88という鍵盤の有限性があるからこそ、無限の創造ができる1900。
陸は無限の鍵盤。これは神様の弾くピアノだから自分は陸に降りることができない。

「陸の人間は、どうやって正しい道を見分けられるんだ?」
「その果てしなさを想うだけで、自分がバラバラになっていくという不安に駆られたことはないのか?」

正しい道を見分けようと思ったこともなく、もう自分はすでにバラバラなんだけど気づいていないから不安にも思わない。天才と私たち凡人の代表をしてくれているマックスの違いはここで。

天才って生きづらいんだなあ。


ピアノがすべりだして、ワルツを踊るかのようにフロアを動き回るシーンが最高!

エンニオ・モリコーネは愛をテーマにした曲が全部ぜんぶ素晴らしい。どんな愛され方をして、どんな愛し方をしたらこんなにも素晴らしい曲ができあがるのだろう?
やなあき

やなあき