阪本嘉一好子

El Freeman(原題)の阪本嘉一好子のレビュー・感想・評価

El Freeman(原題)(2018年製作の映画)
4.8
エル(ラヒーム Eljas Rahim)はカザフスタンから米国ロサンジェルスに3年前にきた不法移民で泥棒。ロシア人の仲間を頼って、引越しやで不法就労をしていて、現金収入を得ているが、経営者に借りた押さなければエンジンのかからない車の中で生活をしている。あるとき、引越しを頼まれた独居老人アンバサダー(ハル ディオン)と親しくなり、彼の生き方に感化され、人生が変わっていく。不法移民は米国では影の仕事に携わっている。そのほとんどは現金収入で、雇い主は現金を払うことにより、違法移民を利用していて、犯罪に手を染めさせたりする。この映画は断片的な構成になっていて、場面のつながりが容易に理解できないかもしれない。それを超えて学べるものがあったので、この映画は大変気に入った。

私はこの映画をみ始めたとき、カルフォルニアアクセントだったのでホットし、字幕をみなくてもいいから気楽に楽しめた。好きなシーンは人生に成功して高齢期を迎えている人との関わり合いの少ない老人の生き方。堂々と社会貢献して、(ビルゲイツのように)いるわけではないが、人に喜びを与えてあげる生き方を知っている。この老人が100ドルのチップをベルボーイにあげた。ベルボーイが100ドルに対してのお釣りがないよと言ったから。エルにとって一日100ドルを稼ぐのは至難の技。

その理由が『まったくなにも知らない状態で100ドル、200ドルチップをもらったらどうする?不平をいう?嬉しくってダンスをしたい気持ちでしょう。今日の一日が最高になるよ。人間は時々、人の期待以上に何かをできたりして、人は期待以上のことを望まれるべきだよ。』うまく言えてないかもしれないが、この言葉は金持ちだけが金を人にあげる時、使える言葉じゃないんだ。私は高校の教員だが、生徒や周りの人にこういう態度で接する必要があるんだなと思った。人は期待以上のことができるんだから。人に対して寛大になって、その喜びをあげることは私たちの使命かもしれない。