いいんじゃないでしょうか。
家で『断崖』観てたほうがいいのはそうだが。
反溝口、てめぇ泣いてんじゃねぇぞ筋通せ、青山映画で初の普通に女性主人公の映画。だが溝口ではない。メロドラマでもなかった。
タワマンで青山さんの企画としては10年遅いのはそうかもしれず、たむらさん亡き後でも、ある程度の感じ。これからまたバンバン毎年撮ればいいと思う。
人物も身振りも胡散臭いヒューモア(台詞のメタ感、軽い自意識)は健在で、ショットも的確、やっぱりリズムがあるだけでも映画だと思える。旅の終わり、より全然いい。やっぱり皆んなで黒沢は殺しておくべきだったし、カウンターとして青山が一番最強、結局。シャッターブラしたり、酔狂のような大胆なアップもあるし。移動もおもしろい。
多部ちゃんが多部として素晴らしい。
多部のイメージは今まで、あの顔でバストアップしかなかったが、この映画で初めてフルショットの多部の身体が見えた気がする。足元も。裸の背中も。
釣り合ってない、俳優として相手の男が格下すぎる。三浦春馬だったらどんなによかったか。人手なしの浅薄なやらしさがそのまま出てるのがいいのだろう。この男は陳腐なサイコパスでしかないし、芸能人はゴミみたいなもので、映画は俳優を見にきてるわけだから、よほど頑張らないかぎり、お話の中の有名人は本物以外無理で、この映画の演者の中で一番稚拙で不要なものに見えるのがLDHだから消えてくれとは思う。
高橋洋が一番仕事をしているように見えた。
コント師斎藤陽一郎は相変わらず。
技術スタッフは撮影以外いつもの青山組。何年ぶりかも知らないし、監督自身の人生に興味もないけど、再出発ならもっとデタラメでもよかった。リハビリの練習でも青山さんならこれくらい撮れる。猫の主題もよく分からなかった。
冒頭10分見逃した、後日もう一度見るかどうか。