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カトマンズの涙のKotaOwatariのレビュー・感想・評価

カトマンズの涙(2018年製作の映画)
3.8
「麻薬は翼をくれるけど、空を奪ってしまう」

泥にくすんだ使い捨ての注射器を腹に突き刺す女性。薬物を買うために体を売りに夜の街を徘徊する姿。あまりにも無邪気な子供と、その母の力の無い表情。
目を背けたくなるような映像の一部始終は、人間の根本にある弱さや脆さ、醜さを剥き出しにする。

ネパールでは女性の薬物依存問題がタブーとされていて、女性用の更生施設がまだ少ないのが現状らしい。
その数少ない更生施設で、薬物依存を断ち切ろうとする女性達が徐々に笑顔を取り戻していく様子には勇気を貰えた... けど、取材した半数の人がまた薬物に手を出してしまい、結果行方不明、死亡、という現実には薬物依存の恐ろしさ、深刻さを痛感する。

とても重い内容ですが、単にネパールの社会問題や薬物依存を警鐘する映画ではなく、人間を知ることができる、貴重なドキュメンタリーだと思います。
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