月子

ノッティングヒルの洋菓子店の月子のレビュー・感想・評価

3.0
お洒落なロンドンの街並みと、華やかで美味しそうなスイーツに癒されるひと時でした。


急死したパティシエ・サラの夢を、彼女の母親、娘、親友で叶えるという物語。

魅力的な設定に期待値が上がっていましたが、ストーリー展開はあっさり目です。理由としては、ヒューマンドラマの割に、主要人物の背景や関係性が深く描かれていない点があると思います。

強いて言えば、母親ミミの心情が一番深く掘り下げられていて感情移入しやすかったです。
一緒に店を出そうとしていた親友のイザベラは、サラとの関係性もあまり描かれておらず、分かりにくいキャラクターでした。あの恋愛要素は必要だったのか…


そして問題の〝故郷を思い出すお菓子〟について。
物語の中盤でこのワードが出てきた時、日本なら何だろうと考えながら観ていたのですが、登場したのはまさかの「抹茶ミルクレープ」。

確かにミルクレープは日本だけど、故郷を思い出す味としてこれを挙げる人は間違いなく少数だし、少なくとも私は食べた事ない…

後のキーアイテムになるので、「作るのに手間が掛かる異国のお菓子」として探した結果だと思いますが、あまりにしっくり来ず、後半は邪念を追い払うのに精一杯でした…


上映時間が短く、ストーリー展開もテンポ良く淡々と進む反面、何かを得ようと真剣に観るとツッコミ所がポロポロ出てきてしまうのが少し残念。雰囲気重視の作品であることを念頭に置いての鑑賞をおすすめします。

お菓子と街並みと娘のクラリッサが可愛いので、目の保養になります。
帰りにスイーツを買って帰ってしまうのは不可避です!
月子

月子