T太郎

ザ・フラッシュのT太郎のレビュー・感想・評価

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
3.9
988
「ジャスティスリーグ」の後日譚といった位置づけだろうか。
正直舐めていたのだが、かなり面白かった。

ヒーロー映画であり、タイムトラベル物でもある。
タイムパラドクスの理屈がどうとかは、深く考えなくてもいいだろう。
現に私は、極浅を決め込んで鑑賞したのだが、それでも十分楽しめたのである。
考えるな、感じろ・・である。

主人公はザ・フラッシュことバリーだ。
バットマンやスーパーマンらとともに、日夜世界の平和のために活動している。

だが、彼自身はあまり幸福とは言えない。
幼い頃、母親が何者かに殺害されたのだ。
しかも、あろう事か父親がその犯人として逮捕され、現在公判中なのである。

フラッシュことバリーは父親が犯人ではない事を知っている。
だが、有罪判決は濃厚な状況だ。
彼は母親だけでなく、父親までも失ってしまうのか。

重苦しい展開だ。
フラッシュことバリーはジャスティスリーグの中では、スピード担当以外にお笑い担当もしくは、癒し担当という重責を担っている。
(個人の意見)

そんな彼にこのような過去があったとは。
非常に重いのである。
漬け物石のように重いのだ。

フラッシュことバリーの能力を軽く説明しておこう。
彼はなんせ足が速い。
常人の目では到底追い切れないほどの速さなのだ。
ひと言で言うと光速以上なのである。

ある日、フラッシュことバリーはあまりの速さゆえ、時間を飛び越えられる事に気づくのだ。

こ、これは・・
過去に戻って母親を助ける事ができるのではないか。
父親も逮捕されずに済むのでは。

そうだ過去に行こう。
(京都みたいに言うな)
思い立ったが吉日。
フラッシュことバリーは過去に戻り、両親を助ける事に成功したのであった。

めでたしめでたし、ではない。
ここからが本番なのだ。

フラッシュことバリーは図らずもこの時間移動で、最近流行りのマルチバースとやらに破壊的な悪影響をもたらしてしまったのだ。

フラッシュことバリーは、この事態に一体どのような落とし前をつけるのか。

そんな物語だ。

表面上の物語も面白いのだが、メタ演出が素晴らしく面白い。
メタフィクションを狙った訳ではないのだろうが、私はそう受け取った。

例のマルチバースとやらの関係で、様々な並行世界が描き出されるのだが、これが実にサービス満点なのである。

    以下がっつりネタバレ

歴代スーパーマンや歴代バットマンが登場します。

バットマンに関しては、前作に引き続きベン・アフレックが演じている。
前作でともに戦った、今や親友だ。

ところが、過去に戻ったフラッシュことバリーが出会ったバットマンは・・・・
なんと、マイケル・キートン版のバットマンだったのだ!
(ご本人登場)

「お前誰やねん!」
フラッシュことバリーにすれば、そうなる事も頷ける。

だが、私のような往年のバットマンファンからすれば、これは実に嬉しいサプライズなのである。

しかも、BGMがティム・バートン版のそれなのだ。
なんという粋な計らいであろう。

更に、なんやかんやあって現在に戻ってきたフラッシュことバリーが、再会したバットマンが・・・
ベン・アフレックでなく・・・
なんと、ジョージ・クルーニーになっているのだ。
(ご本人登場)

当然、フラッシュことバリーは
「お前誰やねん!」
となる訳だ。

だが、私のような往年のバットマンファン・・・
(以下省略)

スーパーマンも凄い。
なんとクリストファー・リーブが登場するのだ。
CGだが。
スーパーガールまでも。
昔のスカートを穿いたスーパーガールだ。

寡聞にして存じ上げないのだが、ニコラス・ケイジもスーパーマンを演じた事が?
CGだが、私はあれはニコラス・ケイジだとお見受けした。
違うのだろうか。

ストーリーも面白いし、コメディ場面も楽しめた。
泣けるシーンもしっかりとあった。
スーパーガールは可愛らしくて実にセクシーであった。
結婚したいと思ったくらいだ。

だが、私が最も楽しめたのは、映画に関する小ネタの数々だ。
先述したバットマンやスーパーマンだけでなく、様々な小ネタがあるのだ。

一つ例を挙げるとすれば、フラッシュことバリーが飛んだ世界では「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主演俳優が、エリック・ストルツなのである。

これは事情を知っている人であれば、ニヤリとできるエピソードであろう。

とにかくサービス精神に溢れた作品である。
まだ観たことないよ~て人は、是非とも「バットマン」シリーズと「スーパーマン」シリーズと「ジャスティスリーグ」シリーズを完全コンプリートした上でご鑑賞いただきたい。
(無駄にハードル上げ過ぎやで)
T太郎

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