ななこっこ

ベイビー・ブローカーのななこっこのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
3.6
ベイビー・ブローカーというタイトルから、臓器売買に係る話だと思っていたけど、実際は是枝監督の作るゆっくりした流れる擬似家族が織りなすハートフルストーリー。観ていて少し安心できた。

幼い頃から施設で育ち、売春を強要されて生きてきたソヨンは、自分の産んだ赤ちゃんの存在を否定され、赤ちゃんの父親を殺してしまう。自分の赤ちゃんを大切に思いながらも、人殺しの子供にしたくないがために赤ちゃんポストに入れることすら叶わず、ポストの前の床に置いて逃げてしまう。サンヒョンは自分の過去に後悔があり、家庭を蔑ろにした後悔から赤ちゃんを持つことができない夫婦のためにブローカーになる。ドンスは幼い頃自分を捨てた母親への想いから、ヘジンは誰かの養子になりたい気持ちから、全員がそれぞれ自分の使命を果たそうという動機で一緒にいて絆を深めていく過程が良かった。

生まれてくれて、ありがとう。のシーンと観覧車のシーンは心が温まるものがあった。
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