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映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレットのEDDIEのレビュー・感想・評価

2.6
最凶のギャンブラー視鬼神真玄。その正体はとんだ噛ませ犬。本来盛り上がるはずのロシアンルーレット対決も映画前半だけでお腹いっぱいになり飽き飽き。
ドラマシリーズ含め一番つまらなかった。中川大志の存在が救い。

コロナの影響下、またもや緊急事態宣言という予想だにしない事態により、4月29日から公開延期。
“一か八か”の5月12日の再設定、またもや緊急事態宣言延長するかもしれないのに。
案の定、再度公開延期となり、ついに6月1日本邦公開。
実際緊急事態宣言は続いており、東京・大阪も映画館は条件付きで21時までやっていいよってミラクルによりなんとか公開できたという流れです。

さて、そんな緊急事態宣言とのギリギリの賭けに勝った本作でしたが、シリーズで最も期待外れとなりました。
あくまで個人的見解で、ジャニーズファンにも口撃されたくないので、本作面白かったという方はここいらで回れ右していただいた方がいいかもです。



まずそもそも論として、私はこの賭ケグルイシリーズは大好きなんですよ。
キャラクターそれぞれが立っており、役者たちの過剰演技が逆に作品の面白さを高めており、なによりも蛇喰夢子演じる浜辺美波、鈴井涼太役の高杉真宙、早乙女芽亜里役の森川葵のメインキャストが最高にイキイキとしているのが楽しいのです。

ただ本作はメインの悪役となる視鬼神真玄があまりにも肩透かし。
一番の要因は脚本として彼自身を咬ませ犬程度しか印象付けられなかった点でしょう。予告ではかなり強そうな強キャラという印象づけができていたのに勿体ないです。
そして、ジャニーズファンには申し訳ないですけど、視鬼神役を演じた藤井流星の演技が見てられなかったところです。
彼は彼なりに役になり切ろうと努力していたのはなんとなく伝わりました。ただ、本シリーズの見応えであるはずの役者の過剰演技が彼の場合滑っているようにしか見えません。
なんというか初登場シーンなどのボスキャラ感満載かつ冷静な悪役に徹していた方が、彼のキャラは立っていたんじゃないでしょうか。
狂いまくった演技はちょっと見てられませんでしたね。

本作はおそらくラスボスである池田エライザ演じる桃喰綺羅莉をさらに際立たせることが一つ目的としてあったのだと思います。
にしても彼女の絶対的な存在感がやや本作のせいで劣ってしまった感じが見受けられました。
ネタバレになるのでみなまで書きませんが、終盤の三組の対決は三組にしなくて良かったのではないかと。
あくまで桃喰を引き立てることに力を注いで欲しかった気がします。

そういう意味では今回は夢子はもっとサポートに徹した方が良かったかなとも。
前半で視鬼神との対決で主人公としての見せ場は十分にあったわけですから、その後の展開は正直ご都合主義としか思えませんでした。

本筋にほとんど関係のない中川大志が一番面白かったというのもどうかなと。
基本的に演出もことごとく滑っていた感覚です。
芽亜里のミュージカル的シーン…森川葵好きの私としてもあの演出は謎だったし、あの後の中川大志に完全に救われたなと感じてしまいました。

ほかにもサプライズ的な出演者がいるので、これから鑑賞の方はその辺を楽しみにしていただくといいかなと思います。
英勉監督は個人的には応援してるし、これまでの作品は好きなものも多く擁護派な私ですが、本作に関しては脚本から何からちょっと擁護しづらい結果となりました。

※2021年新作映画72本目
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