レク

ザ・スイッチのレクのレビュー・感想・評価

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)
3.7
JKと殺人鬼の入れ替わり、程よくグロくて程よくポップなホラーコメディ。
彼女の人生を一度崩すことで再生を描く上手さ。
おっさん姿のまま恋愛パートを真っ当に描く気の狂いよう、中身が女の子のおっさんがただただ可愛い。

体が入れ替わることで、それぞれの外見のメリットを活かしたそれぞれの行動が取れること。
例えば、殺人鬼は女の子の体を手に入れたことで可愛い被害者や弱い立場の女性を演じながら誘い出せるし、JKは屈強な肉体を手にすることでいじめられていた相手に仕返しができる。

これって"外見を変えるか中身が変わるか"で弱い立場の人間でも人に打ち勝つことができることを両側面から訴えている。
そして、おっさんの見た目のままでラブシーンを描いたことで、そんなテーマとは相反する"外見が変わっても中身は変わらない"ことの大切さを同時に訴えているんですよ。

ラストが蛇足だという感想を目にしたが僕は決して蛇足だと思わない。
何故なら、外見が変わることで中身を変えた女の子が外見が変わっても中身が変わらなかったおっさんに打ち勝つ。
つまりは、肉体的な入れ替わりではなく、弱者と強者の立場的な入れ替わりを可視化しているからだ。
レク

レク