わー

頭痛が痛いのわーのレビュー・感想・評価

頭痛が痛い(2020年製作の映画)
3.5
傷を付ける、治療する物語なのか。
『頭痛が痛い』ってタイトルが完璧ですね。
「死にたい」って言葉にすることで生を実感するというのは神聖かまってちゃんとかがずっと主張していることだったりして。
ドラマもきっちり描けていてとても良いのではないでしょうか。やや説明が過ぎる部分がある気もするけども。

閉じられたSNSを力技でこじ開ける校内放送。
(閉じられたSNSという言葉は矛盾を孕んでいるがもはやそれは日常風景なのである)

わかってないをわかってるというわかってなさを共有する。
当たり前じゃない当たり前を、当たり前に実行できる人が平成生まれではヒーロー化して見えるのかもしれない。
それを個人として受け入れる行為をどうしても描かずにいられないのだろうか。
邂逅ってことにどうしてこんなに縛られてしまうのか。
共有する観念に囚われているというか、共有しないといけない切迫感、痛みや傷を自ら負ってまで共有しようとする。
最初から失った状態で育ってきてしまったということなのか。

それにしても男が単調バカに描かれる現実をちゃんと受け止めなければいけない。このままでは少女の物語が永遠と続いてしまう(まあ、これまでずっとそうだったわけだが、そろそろそれをやめようよって意味で)。

ラスト素晴らしかったです。
誰も抗えない超巨大公共事業に声なき声は飲み込まれて消えてゆく。
わー

わー