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らせん階段のeknのネタバレレビュー・内容・結末

らせん階段(1946年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、サイレント映画『接吻』(1929)にヘレンが見入っている。映画館がある同じホテル内での殺人事件と、亡くなった女性が浜辺で担がれるシーンで終わる『接吻』のクロスカッティングは見事。女性の死だけでなく、過去→現在を繋ぎ、“声が出せない”彼女がサイレント映画の象徴を担っていることも暗示させる。
後にこの連続殺人事件が10年に渡って続いていたことが明らかになるが、それはサイレントからトーキーへの過渡期とリンクする。
主人公が狙われるサスペンスだけでなく、いつ彼女が声を出せるようになるのか、犯人は誰か、さらに映画史までも盛り込む手際の良さ。
『幻の女』と同様に“鏡”の演出が印象的。シオドマク作品の特徴なのかな。
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