eknさんの映画レビュー・感想・評価

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第三の男(1949年製作の映画)

5.0

再見
コンラッド『闇の奥』を読んだから久々に観たくなった、
終戦直後の荒廃した街並み、不安を煽る斜めのショット、馴染みのないドイツ語…異国に迷い込む心理描写の巧みさが光る。粗いプロットなんてどうでもよ
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ヒート(1995年製作の映画)

4.0

再見。
超絶痺れるThe悪人面5人衆のプロフェッショナル強盗からの激ダサボーイミーツガール!最高!
オフの音とか視線の演出はカッコいいのに何でこんなに音楽がダサいのか!

散り行く花(1919年製作の映画)

3.5

指で無理やり作る笑顔、善と悪の目、斧によるドア破壊など有名なショットが観られて満足。ただ、それよりもリリアンギッシュの視点っぽい父親が怒り狂った顔を近づけてくるショットが強烈。

The Witch/魔女(2018年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

いかにも田舎娘が聴きそうな時代錯誤の歌謡曲をBGMにトラックで移動するショットの訳のわからなさに笑う。オーディション番組に繋がるのかと思ったのに。後半の“種明かし”のための日常パートだとはいえ退屈だっ>>続きを読む

麦秋(1951年製作の映画)

3.5

笠智衆が原節子の兄役で頭パニック。
甥っ子たちの小さな抵抗が同級生と会う時の原節子と重なる。ちょっとした偶然に素早く冷静に決断できたのは、結婚に対するそれまでの長い思索が窺える。

晩春(1949年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「よく笑う娘」からの変化を描きたいにしても、貼り付いたような均一の笑顔が不気味で演出として微妙。次第に広がる父娘の断絶が「父は平坦な道を、娘はヒールで砂利道を歩くシーン」で表す。ただし、同じ方向を歩く>>続きを読む

銀座化粧(1951年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

醜い醜い醜い醜い男たちと、子育てや仕事に追われて若い頃楽しみだった詩を10年も読めないでいる、どこか自分の人生を諦めている中年女性。常に金の問題に囚われて恋愛する暇もない。ようやく出会えた“まともな男>>続きを読む

雪夫人絵図(1950年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

明/暗、都会/田舎、外/内、生/死、理性/感情……様々な二項対立が見られる中で、男/女の断絶が最も強調される。雪が「精神は拒んでいても肉体が求めてしまう」と言って崩れ落ちる姿は生々しい。女/女、男/男>>続きを読む

間諜最後の日(1936年製作の映画)

3.0

女を追いかけてばかりの頼りなさそうなピーターローレが暗殺のターゲットを見つけた瞬間の表情がいい。顎を下げて上目遣いするあの恐ろしい顔。殺人を犯したあとも、ターゲットが別人だと分かったあとも、全く動揺し>>続きを読む

黄金の馬車(1953年製作の映画)

4.0

舞台上の女優をバックヤードから眺める男の背中越しのショットがたまらん。その後の「金のネックレス」をめぐる殴り合いと舞台のクロスカッティングも。
舞台上でしか生きられない女優と、彼女の元を去る男たち。「
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河内山宗俊(1936年製作の映画)

3.5

いくつかのシーンが欠損しているのと、音声がかなり悪いので観るのに苦労したが、小道具へのクローズアップや奥行きを意識した細い道など、『人情紙風船』と通じる“作家性”的なものを見つけるのは楽しい。

西鶴一代女(1952年製作の映画)

4.0

女性を徹底的にモノ扱いする価値観の下劣さが強烈なんだが、現在でもそれが根強く生き残っている事実に恐怖する。都の女たちの顔や髪型を査定する件なんかは、今のほうが酷い。
『映画術』の受け売りになるけど、日
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ピカソ-天才の秘密/ミステリアス・ピカソ(1956年製作の映画)

3.0

直線、波線、丸形が印象的な絵の数々。正直、ピカソが描いたと言われなければ10分も見つめることはない絵だし、知っていても「天才」が捉えた何かを好意的に受け取ろうとはせず、線が絵になる工程を楽しんだ。
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ダークナイト(2008年製作の映画)

3.5

再見。
立体駐車場でのアクション、マジで下手だな。その後も複数人が出るショットはごちゃごちゃしていて配置が分かりづらいし、カッティングも気持ちよくない。切り返しやクロスカッティングはいちいち停滞を生む
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悪党(1965年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

莫大な権力を握った高師直の滑稽な実態を短い窃視ショットで描く冒頭から素晴らしい。教養も作法もなく人妻の尻を追いかけるばかりの田舎侍だったが、「権力者」として一声発するだけで生首がいくつも並ぶ衝撃…「師>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

多少の裏切りはあったにせよ、丁寧過ぎる前半の説明パートから後半の展開は容易に想像がつくし、その上で感動する作品なんだろうけども、人としてどうかしてるのかと思うぐらい無感動で終わってしまった。
ミゲルが
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人情紙風船(1937年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ひしめき合うようにして建てられた長屋のうちの一軒で首吊り自殺が起きる。密集した空間で「死」が突如として現れても、死体の後処理をくじ引きで決める始末。罰当たりな宴会をラストで変奏するのはいい。
紙風船、
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ぼくらの七日間戦争(1988年製作の映画)

3.0

倫理道徳を理解している子どもたちだからこそ、その道を踏み外してまで大人たちに反抗したのであって、教師や機動隊に捕まって終わったらつまらないよね。というか、学生運動の皮肉か。体制も反体制もどっちも子ども>>続きを読む

サンドラの週末(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

タンクトップのマリオンコティヤールに釣られて観たらまさかのうつ病の話でかなり辛かった。
精神を削りながら戦う姿にジーナローランズを重ねていたら、車中でかかる曲が恐らくカサヴェテス『グロリア』のことを歌
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祇園囃子(1953年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

大傑作。よーーーやく観られた。
男衆が栄子の父親に保証人の判子を貰いに行くシーンと、栄子が美代春に面倒を見てもらうようお君に頼むシーンの“追いかけっこ”、からの修行モンタージュ。一人の女の子が舞妓にな
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オマールの壁(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

悲しみや葛藤など主人公の感情は省略され、強い信念だけが彼を突き動かしていることを可視化する移動カットがしばしば挿入される。複雑な街の構造を駆使して警察から逃げようとするも、必ず捕まってしまうのが、彼の>>続きを読む

存在の耐えられない軽さ(1988年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

生き方を変えられない男女が同時に幸せを掴む話は「死」で終わるしかないのか。ある種ハッピーエンドだった『暗黒街の弾痕』のラストとは逆に“霧”の中へ突き進むのが当時の政治的テーマに結びつく。
音楽がよかっ
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エル・スール(1982年製作の映画)

3.5

ヴィクトルエリセこんなにもハマらんか…いい映画だとは思うけど…。

愛、アムール(2012年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

隠喩としての水、鳩、ドア、花は効果的ではあるが、あからさま過ぎて謎解き感覚で観てしまった。流行りの“考察”的な。定点ばかりのカメラは老夫婦の日常を描く“静謐な”映像と言うべきなのだろうけど、身体的な制>>続きを読む

13/ザメッティ(2005年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

金持ちの道楽に利用される12人の人間がどういう経緯で参加したのか一切掘られないので、誰がどのタイミングで死のうが知ったこっちゃない。何も知らないまま参加した主人公の心情と重なることもない。
「主人公の
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

2.5

切り返しで緊張感が生まれないのはダメじゃない?窪塚のキチジローはイケメン過ぎるけど、なかなかよかった。
小説の方が好きかな…。神が喋ったのにはビックリした。

神のゆらぎ(2014年製作の映画)

2.5

不在を強調するショット、言葉や音で繋げる編集、宗教的な音楽…どれも半端で心に残らない。時間軸バラバラ系は外国人の顔を覚えるのが苦手なので途中まで大変だった。
『ビリディアナ』の荒唐無稽さの方がいいかな
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桜桃の味(1997年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

兵士は軍に従事し、神学生は神に従事し、老人は経験を語る。自殺志願者バディが運命を信じるのだとするならば、兵士と神学生もまた老人と出会うためにバディの手助けを拒絶したと考えられなくもない。
重機が大量の
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マンハッタンの二人の男(1958年製作の映画)

4.0

現場の偽装工作は『ナイトクローラー』を思い出す。あれは名誉欲に狂った男で、本作は単純に金。しかも友人に一発殴られて目が覚める程度の欲。ネガを捨てて笑いながら立ち去るラストがメルヴィルらしい。

ビリディアナ(1960年製作の映画)

4.0

『哀しみのトリスターナ』と同様、若い女に向けるおっさんの性欲ほど気味悪いものはないな。

時代屋の女房(1983年製作の映画)

4.0

時代屋の駐車場が変な場所過ぎて渡瀬恒彦が車を停める度に笑ってしまう。歩道橋から出てきた人を轢かないか無駄にハラハラする。
ひと目で釘付けにする夏目雅子が全身白/黒で現れる冒頭とラストはたまらん。

百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

自分のことを語らないでいられるように街を転々とする話なのに、映像ではなく台詞で語り過ぎだし、独り言で終わるカットも単調。
ラストの段差を利用した切り返しはよかった。デュヴィヴィエ『望郷』みたい。

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

フィクションなら“自殺するしかない”物語なのに、ボクサーに転身して今は息子と暮らしているってのが面白い。
アメリカを体現する彼女の「トリプルアクセル」と「ノックダウン」のゲスな対比に笑った。アメリカ国
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東京暮色(1957年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

事情を詮索する権利が当然あるかのように振る舞える“家族”という関係性の一面に生理的嫌悪感を抱く人間からすると地獄。廊下を通る娘を父親が居間から何度も呼び止めるシーンはもはや暴力的。
“母親らしさ”を演
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