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ターンレフト ターンライトのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.0
雨の台北。交差点で信号待ちをする人の群れ。その中に無名のバイオリニスト、ジョン(金城武)と、雇われ翻訳家イブ(ジジ・リョン)の姿があった。2人は互いを知らず、その存在に気づくこともない。実は、2人が住む部屋は、壁一枚を隔てたお隣同士だった。
でもジョンはアパートの右側から出入りし、出る時は必ず右側へ歩き出す。方やイブはアパートの玄関の左側から入り、出る時は左側へ歩き出す癖があった。だから、彼らは一度も顔を合わせたことがない。
そんなふたりがたまたま公園で知り合った。そして、驚くような事実にたどりつく。なんと彼らは、学生時代に一度出会っていたのだ。互いに意識しながらも名前すら聞けずじまい、相手の学生番号だけをいつまでも忘れずにいたふたりは、こうして運命的に再会した。
ところがまたしても、運命がいたずらをする。突然の夕立の中、電話番号を交換して慌ただしく別れたふたりは、翌朝になって言葉を失う。電話番号を書いたメモが、雨でにじんで読めなくなっていたのだ。
ふたりは手当たり次第に電話をかけるが、ハズレつづき。しかも雨に濡れたせいで、ひどい風邪をこじらせてしまう。たまたま相前後して同じ食堂に電話をかけ、同じ出前を頼んだふたりに、シャオホン(テリー・クワン)が配達に行く。
ハンサムなジョンに一目惚れしたシャオホンは、彼が探している女性が隣のイブだとピンときたが、知らんぷりを通す。かたやイブは入院先で、昔自分を追い回していた医師のフー(エドマンド・チェン)に出くわす。
同じ頃、ジョンもその病院に入院していたのだが…。イブに好きな人がいることを知ったフーは、探偵を雇ってイブの身辺を探る。その結果、思いがけないことが判明する。
イブが写っている写真のどこかに、必ずジョンが写っていることを。フーとシャオホンは、イブとジョンが振り向いてくれない腹いせに、2人を絶対に会わせまいと同盟を結成し、いやがらせを決意する。
2人が写りこんでいる写真を焼き増しして、それぞれに匿名で送りつける。会いたい人とこれほどまでにすれちがっていながら、気づくことのできない自分。最後まで会えない運命なのだろうか、と悲嘆に暮れるイブとジョン。
やがて、彼らは苦悩を超えてそれぞれの道を歩み出すチャンスを手にする。
ジョンは管弦楽団の奏者としてウィーンへ。イブは海外出版社の社員としてアメリカへ。台北を後にする日、ふたりは壁一枚を隔てて、旅の荷物をまとめていた。そのときに、ある奇跡が起こる。
香港ノワールの雄ジョニー・トーとワイ・カーファイ監督が、すれ違いまくる男女の運命的な恋を描いたラブストーリー映画。
同じアパートに住みながら、出る方向が違い運命のいたずらにもてあそばれなかなか結ばれないふたりの運命的な恋が、ロマンチックに描かれているので、ロマンチックな気分に浸れるラブストーリー映画。
クライマックスでのお互いに学生番号を呼びながらお互いを探し、アパートで起きる奇跡的な出来事は、偶然の積み重ねを運命に変えるのはお互いの強い意志なのだなぁと思える、ロマンチックなオチでした。
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