あみ

シングルマンのあみのネタバレレビュー・内容・結末

シングルマン(2009年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

とにかくひたすら画面が美しい。トム・フォードの世界に浸れる。
派手な事件も、華やかなシーンもないけれど、ずっと画面に引き付けられて目が離せない。
コリン・ファースが美しくてかっこよくて、ファッションも最高。スーツもメガネも抜群だし、ちょっとゆるいのもまた良し。
建物もインテリアも全部美しい。

物語は恋人を失ったジョージの最後の一日(にしようとしてできず、でもそうなってしまった)が描かれる。
愛する人を失って死のうとするのに、死にきれずに昔の恋人に会ってみたりナンパされてみたり、教え子といい感じになってみたり。
間違いなく愛していたし、愛しているからこそ死にたいのに、生きていることやそこにいる人々との関係も捨てきれない。

「情けない」というつぶやきが印象的。
愛していたら死ねるはず、でも死ねなくて、ふらふらしてみたり、それを「情けなく」思ったり。
人間は、生きていることは、ままならない。
それをいいとも悪いとも描かない、ままならないものをままならないまま差し出された気がする。
あみ

あみ