このレビューはネタバレを含みます
映像美とコリン・ファースの演技に心が震えた。
主人公の精神的な変調に合わせ世界の色が度々変わる。
その変化が何とも艶やかでたまらない。美しさに息をのみ、気づけば涙を流すほど。
愛しい人を亡くし悲しみに沈むジョージの憂いを帯びた表情、ケニーの澄んだ青い瞳と健康的な唇の赤がとても印象的でずっと心に残る。
ジムが交通事故で亡くなったと知らされたジョージの慟哭が胸に刺さってしばらく涙が止まらなかった。
死を決意した1日を過ごす中で巡りあう美しいもの。明日を迎えようとしたジョージに訪れる突然の結末。
倒れた彼に歩み寄ってキスをしたジム…冒頭とシンクロするシーンにハッとした。
何度も見返して、世界が美しいと思える瞬間をもう一度味わいたいと思える作品。