まな

シングルマンのまなのネタバレレビュー・内容・結末

シングルマン(2009年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ブラウンで統一されたコリン・ファースさんが素敵。赤みの少ないブラウン。銀行?で会う近所の女の子といい、瞳の色まで合わせてくるセンスが好き。全体を通して画面がブラウンのシーンが多いから、そうでないものは特に印象に残る。薔薇。ピンクの煙草。
ケニーとお酒を飲む頃からブラウンに赤みがさして、最後は色を失って終わる?

最初の方のシーンで、ベッドの上で唇を触った後のコリン・ファースさんの表情がとても切ない。
ジョージとジムが読んでいる本を見せ合うシーンが穏やかで好き。「今をただ生きてる。君のそばで寝そべってれば幸せ」。
ジョージとケニーが夜の海で泳ぐシーンは、繰り返された水の中のイメージがここに着地するのか!と着地点があったことにちょっと驚いた。

トム・フォード監督って、カメラをゆ〜っくり動かすのが好きなのかな。ぐい〜っと引っ張る感じ。あと、机や対面する人たちを上から撮るの。スローモーションも。
芸術性が高いんだろうけど、必ずしも美麗なものばかりを「美」としてないところが好き。女性の目元のメイクのアップとか、恋人の死体にキスするところとか。
『ノクターナル・アニマルズ』もそうだった。

全然関係ないけど、ふんわりと漱石の『こころ』を思い出した。
まな

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