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映画 太陽の子のIDEAコメント休止中のレビュー・感想・評価

映画 太陽の子(2021年製作の映画)
3.9
日本も原子爆弾を開発していたという事実。

日本が世界唯一の戦争被爆国であるということは学校でも習うわけだが、その日本が原爆を作るべく研究開発をしていたことはあまり目を向けられていないように思う。
そのため今作で、原爆を研究する科学者を主人公に据えて先の大戦を描いたことはひとつ意義のあることではないだろうか。

ただ、よく考えてみると資源の少ない日本が夢のエネルギーである原子の力に目を向けるのはごく自然なことであり、それが軍事転用に都合が良いとなると当時の日本では…。

結局日本は開発競争に負け、日本は原爆を他国に落とさずに済んだ。原爆の加害者にならなかった。
その代わりに2発の原爆が日本に落ちた。
多くの命が失われた。被爆国になった。

科学者の目線で終戦までの1年を描いた本作。
研究に打ち込みながらも、心の片隅では、こんなもの作ってよいのかと葛藤する姿が描かれており、理性と感情のせめぎあう演出は非常に人間らしさを感じる。

もはや過去は変えられない。
これからどうするかを考えていかなければ。

三浦春馬さんのセリフが心に響く。
「いっぱい未来の話、しよう」