あっこ

映画 太陽の子のあっこのレビュー・感想・評価

映画 太陽の子(2021年製作の映画)
4.0
何となく、今日までに、見ておかなきゃいけない気がしていた。

戦争映画を見るたびに、いや違う、8月を迎えるたびに、日本人は被害者で、多くの尊い命の上に、今の幸せがあって、だから、平和を希求し続けなければならないって、正直、思想を押し付けられる感じが否めない。こと、広島に住み始めてから余計に感じている。

でも、少し何かが違ってたら、日本人も原子爆弾の開発に成功していて、もしかしたら、世界で初めて使った側だったかもしれない。(開発されなくてよかった、とか、残念だった、ということは、今は後回しにする。)

だから、広島だから、日本だから、八月だから、ではなくて、どうやったら人が人を憎むことがなくなり、どうすれば解決できるのか、よりよい社会の実現なんていうきれいな言葉じゃなくていいので、にこにこ笑い合って過ごすことができるのか、を本気で考えていきたい。

三浦春馬くんの「ただいま」に、涙がぶわっと出た。「行ってきます」には(行かないで)って、口からこぼれそうになった。海に入っていくシーンでは、彼はどんなことを考えていたのかと想像するだけで、胸がざわざわする。エンドロールで表示されたお名前、もうこれからの映画で見ることはできないのだなと思うと、やっぱりさみしい。

原子力開発と原子爆弾の線引きは、正直難しいのかもしれない。だけど、今、様々な分野で、新しいことの開発、技術革新に頑張られているすべての方々のおかげで、便利な世の中になっていることは間違いない。そのことには、あらためて敬意を表したいと思う。
あっこ

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