理か

映画 太陽の子の理かのネタバレレビュー・内容・結末

映画 太陽の子(2021年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

期待したのに

映画版として三浦春馬さん扮する裕之が出撃寸前に終戦になり奇跡的に生還して本人は亡き戦友に忸怩たる想いを抱きつつも母、修、世津の
気持ちに応えるべく前向きに生きて行く、となるのだったら、終了日にギリギリ観に行く事はなかったかなぁ、と思ってしまいました。
終了日の早さに驚き予定変更して駆けつけました。

NHKの放送日に3回視聴しました。
ストーリーがぶつ切りの印象だったので映画に期待しましたが、原子力爆弾作りに関しての内容が肉付けされたぐらい?ただ、教授の物言いだと本気で完成させるより優秀な教え子を戦地で散らせないための苦肉の策ともあり、なるほどとは思いました。
偏見かもしれませんが、教授の考えも一理あると思いました。中学生ぐらいの時に、
『きけ、わだつみの声』を読んだ時、京大生の人のもあり、頭脳明晰な人達も同じように亡くなったんだ、‥‥この優秀な人達が生きていたら日本はまた違っていたのかな、と思ったことがあります。
優生思想に陥りそうですが、今の日本の実情を見るにつけ誰か国民の事を真に考え導いてくれる人はいないものか、と思ってしまいます。

命は皆平等で重みに違いは無いのでいろんな分野の貴重な人材を亡くしてもいるし、多くの方の息子、恋人、夫、兄弟、父を奪ってしまったのです。もちろん非戦闘員の人達の命も。
現在のアフガニスタンの国情を見聞きするにつけ産まれる所によってこうも不幸な人生を送らねばならないのか、とも考えてしまいます。

出演シーンが少ないながら、三浦春馬さんの演技の上手さがよくわかりました。
やっと帰って来た時の懐かしむホッとした表情、無言ながら何か悩みを抱えているかのような背中だけを見せるシーン、早朝一人で海に入って行き止める兄と取っ組み合うシーン、三人で行く末について話す時の笑顔、出征する際母との別れで敬礼する右手指が小刻みに震えるところ、そして歩き出すと振り返らない後ろ姿、ジーンと来ます。
原爆については、本気で作っていたとなっていますが、当時の貧弱な設備や資材も画面に映し出されていて素人目にも不可能と感じていましたが、いかがでしょう。
ラストの原爆ドームのシーン、現在なのか当時なのかわからない映像でした。

あまり期待した程ではなかったので残念。
裕之、修、世津の3人が若者らしく海で戯れるシーンが最後に観れて良かったかな。
福山さんについては、春馬さんのガリレオ出演に際してのコメントに呆れていましたので用もあり聞かずに退席しました。しかし、他の方のレビューで春馬さんのメイキング映像があった事を知りガーン!
理か

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