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コーンフレークのKUBOのレビュー・感想・評価

コーンフレーク(2020年製作の映画)
3.7
2023年の試写会初めは『コーンフレーク』マスコミ試写。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020で観客賞を受賞した本作が、コロナ禍をはさんでついに一般公開が決まった。

7年間同棲しているマンネリカップル。結婚せずに7年も同棲って、恋愛3年周期説を唱える私には想像もできない長さだが、この男がダメ男。

彼女の美保は保険のセールスマンとしてバリバリ働いているのに、彼氏の裕也は自称ミュージシャンで、レコード屋さんでバイトはしているものの、ほぼヒモ生活。

それでも生活として続いていたふたりだったが、美保が裕也のスマホを見ちゃったところから始まる一夜の物語。スマホ見ちゃダメだよね〜(笑)。

長回しが多いが、それぞれの男女のトークがとても自然でリアル。脚本も監督の磯部鉄平さんが書いてるが、失礼ながら外見からは想像できないほど男女の微妙な心理をユーモアも交えて表現していて楽しい。

裕也役のGONは、ダメ男を演じながら、それでも女性が許せてしまうようなズルいかわいさを表現していて上手い。

最近、立て続けに木村知貴さんの出演作を見ているが、見る度に全く違う役柄で、演技の幅が広い。本作では珍しく笑顔が似合うミュージシャンの役で、落ち込んだ美保を優しく見守る。

今泉力哉の台頭以来、グダグダした恋愛模様を描く映画が大流行だが、本作は一見似たように始まるけど、もう若くはないふたりに向ける眼差しは意外に優しい。

『コーンフレーク』は1月21日から、池袋シネマ・ロサにて公開予定です。
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