マンション

シカゴ7裁判のマンションのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.1
アーロンソーキン印のキレキレ編集&脚本。

まず冒頭の凄さ。各陣営で熱く語られている演説を、うまいことセリフが繋がると思いきや文脈が全く異なる絶妙な箇所でカットを切り替えていく編集。小気味良いロックも相まって嫌が応にもアガる。
主張の熱量と方向の共通性を示しつつ、それぞれの思想の異なる部分だけが際立つようになっていて、背景と登場人物の説明として完璧で、掴みバッチリ。
もうこの冒頭シーンだけで何度もリピート。

また、各キャラがとにかくめちゃめちゃカッコいい。
飄々としてながらアツいクラシンスキー弁護士。
その横でクールに見守りつつ、いざというときに的確にフォローする相方弁護士。
中盤に満を辞して登場する、明らかにマイケルキートンが役得してる元長官。
そして一際強烈なオーラを発散してるのは、ウィットが底知れないアビーホフマン。
彼と優等生トムヘイデンとの確執を絡めたストーリーの進行が話を余計に盛り上げてて、本当に脚本が素晴らしい。
後半は編集のキレというよりも、各キャラクターがリレーのように見せ場を作っては次にバトンを繋いでいく激アツ展開に。

僕的には特にオヤジのあの場面。ジョンキャロルリンチがいい演技し過ぎてて不意に涙してしまった。ハゲ泣きした。ジョンキャロルリンチ、ゾディアックでのヤバいオーラが印象的だったが、出演作ごとにほんまにいい味出してくるので大好きなバイプレイヤーの一人です。