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シカゴ7裁判のShinMakitaのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
2.1
1969年夏、シカゴ連邦地裁で7人の白人と1人の黒人が被告席に座った。一年前に起きた暴動事件の裁判だ。

一年前…シカゴで開かれた第35回民主党大会前で反戦抗議をしようと考えた学生運動家トム・ヘイデンと友人レニーは、同志学生リーやジョン、そしてヒッピー活動家コンビ・アビー&ジェリーと合流。中年の運動家デリンジャーも加えてデモを計画する。グラントパークに無断で集結した学生たちは数百名。平和的な行進を予定していたが、前日にヘイデンがパトカーのタイヤの空気を抜いたことで逮捕され、デモ参加者がヒートアップ。警察署まで行進してしまったことで警官隊と衝突してしまったのだ。

黒人のボビー・シールは、彼らとは全く面識の無いブラックパンサー党員。一人で演説するためシカゴにやってきたところ逮捕されたのだ。

こうして、7人と1人は、暴動事件のツケを払わされるため起訴されたのだ。あたかもこの8人がテロを計画した凶悪犯であるかのように見せる司法省の策略だ。彼らを弁護するクンスラーは、被告メンバーの強すぎる個性と司法省の汚い工作にうんざりしながら戦術を練る。いっぽう検察側の連邦検事リチャード・シュルツは、反戦活動への見せしめのような裁判に疑問を抱きつつ法廷に立つのだが…



「シカゴ7裁判」。配信されたばかりのNetflixオリジナル映画ですが、一部の劇場で公開されてます。

以下、ネタバレ7裁判。

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ベトナム戦争での兵力増強により徴兵が拡大され、反戦の声が高まるジョンソン政権下で起きた暴動事件。しかし、裁判はニクソン政権下で行われました。前政権への遺恨で無理矢理起こしたとも言える審理で、判事が石頭で無能、被告チーム内でもまとまらないという状況での裁判劇。ま、地味な話ですが、「裁判映画」として劇的な展開もカタルシスもちゃんとある作品。そしてキャラが魅力的な一本でした。リーダー格ヘイデンはエディ・レッドメイン、アビー役にサシャ・バロン・コーエン、シュルツ検事役はジョゼフ・ゴードン・レビット、判事役はフランク・ランジェラ。そしてクラーク前司法長官を演じるのはピッタリのビッグゲストです。歴史に明るくなくても豪華キャストの競演だけで充分楽しめます。政治・裁判モノに明るいアーロン・ソーキンならではの作品。このひと、フィルモグラフィから真面目かつユーモアを理解する愛国心溢れる人物と推察できます。良識のあるオリバー・ストーンといったところかな。オススメ!
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