シカゴでの反戦デモ中に起こった暴動事件。
その首謀者として起訴された8名の裁判が幕を開ける。
膨大な権力の力が働く中、果たして彼らは無罪を勝ち取り、平和と自由を世界に証明することができるのだろうか。
めちゃくちゃ面白かった。
検察寄りの裁判官と司法長官の犬検事にはイライラするが、良い悪役っぷり。
弁護士と裁判官のやり合いは見応えがある。
反戦デモを掲げた首謀者の学生たちも、はじめは軽いノリだなぁと感じたが、実際はちゃんと自分の立ち位置を理解していて現実と向き合っていたことが分かり、敬意を抱かずにはいられなかった。
普段から陰謀論などはあまり信じない方だが、今作のような事実を知るとどうしても政府や警察などの大きな権力を信頼することが難しくなる。
この裁判もそうだし戦争自体が雲の上にいる少数の者の利益のためだけに作り上げられているのではないかと。
私たちの自由や平和はどこにあるのだと。
ただ、そんな気持ちを声に出して、行動に変えることができるのがアメリカの凄いところだとは思う。
60年代の当時から60年以上たった現在でもBLMを掲げて行動に示している。
(活動自体は良い側面も悪い側面もあるが)
ただTwitterで思いの丈をつぶやくのとでは雲泥の差がある。
おそらく当時のベトナム戦争反戦デモも、現在のBLMと同じように熱する者と抑える者と冷めた目で見る者とが混在していたのだろう。
ただ、当時の結果はどうであれ、のちに政府・警察・検事が彼らにした対応は間違いだったと分かる。
その時代その瞬間の、正しい想いと勇気ある行動が未来の時代を作り上げていくのだと感じる作品だった。