凄い吸引力で引き込まれる20分、全編ワンカットの緊迫感とメッセージ力が素晴らしかった。
映り込むタイミング、間、テンポ、勿論カメラワーク… と入念で周到な準備が行われた事を想像する。
盗まれた自転車が他人に使われている事に気付いた男が、人としての一線を超える事なく何とか取り戻そうと奮闘するイスラエル発の短編映画。
寝付きの悪い後味と言うか、当たり前の主張とある意味当たり前の行動がこんなに大きな結果に繋がるなんて…
不法滞在、移民問題は日本人にとっては日常に浸透していないけれど、善悪だけで判断出来ない複雑な事情がある。
自転車に取り付けたチャイルドシートに乗るはずだった子供の事を思うととても胸が苦しく、ラストは行き場のない感情に支配された。