みんとさんの映画レビュー・感想・評価

みんと

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映画(1957)
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すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

3.8

個人的にとても興味のある題材でもある、安楽死がテーマのフランソワ・オゾン監督作品。

ディープで重くて覚悟を要する作品をイメージしてたけどそこはオゾン監督、シリアスに傾きすぎず、あくまでもオゾン流に描
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パリ、恋人たちの影(2015年製作の映画)

3.8

めちゃくちゃスタイリッシュなドロドロ・ラブストーリー。
如何にもフランス的だなぁ…

ドキュメンタリー映画を制作する夫(ピエール)と、夢を捨て彼を支える妻(マノン)。仕事に行き詰まったピエールは、若い
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

面白かった!
長尺が気になるところだけど、中弛みする事無く引き込まれた。

雪深い人里離れた山荘で、視覚障がいのある11歳の少年が、転落死した父の死体を発見。最初は事故死かと思われたが、捜査が進むにつ
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老人と子供(1967年製作の映画)

4.1

ヌーヴェルヴァーグの映画作家クロード・ベリ監督のデビュー作となった自伝的ドラマ。

占領下のフランス。監督自身の少年時代を題材に、ユダヤ人少年とユダヤ人嫌いの老人(プラス老犬キヌー)の友情を描いていく
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.2

はぁ…

やっと、やっと、ビクトル・エリセ監督31年ぶりの新作を鑑賞。

冒頭からラスト、隅々にまで監督の静の美学、引き算の美学が詰まった作品だった。そして余韻を残す見事なラストカットが頭から離れない
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タンデム(1987年製作の映画)

3.7

おじさんの悲哀…

パトリス・ルコント監督のねっとりしない方の作品。おじさん二人の心たたまるロードムービーだった。

もしかして『列車に乗った男』『僕の大切なともだち』に通じる作品なのなか?(何れも未
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フェラーリ(2023年製作の映画)

4.0

スクリーン向き映画は出来れば劇場鑑賞したい。
思いがけず都合がついたので夫婦で鑑賞。

他の類似レース映画に見る胸熱展開は期待出来ないと予め頭に入ってた分、人間エンツォ・フェラーリの激動に満ちた1年が
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アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)

3.9

念願のヘルツォーク監督作品を鑑賞。
らしくないとされる『アラビアの女王』を観たっきり。やっと出世作にして傑作と言われる今作にたどり着いて嬉しい。

いや~狂ってる!噂に違わぬとんでもない作品だった。
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最後の戦い(1983年製作の映画)

3.6

リュック・ベッソン監督24歳の長編デビュー作。

環境の激変によって文明が破壊され荒廃した近未来で、生き残った4人の男たちの戦いを描いた作品。

カエルならぬ魚が降ってくる?!なんだこれ~な近未来。
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

4.0

安定のリュック・ベッソン作品。
久しぶりだけど、しっかり監督印を感じるアレコレに感動と高揚感。

犬小屋で育てられ暴力が全てだった少年ダグ=ドッグマンは、トラウマを抱えながらも犬たちの愛に救われ、恋を
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ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール(2001年製作の映画)

3.7

実生活でも夫婦であるシャルロット・ゲンズブールと、本作で監督デビューを果たしたイヴァン・アタル共演のロマンティック・コメディ。
人気女優を妻にもった平凡な男の苦悩をセルフ・パロディー的に描いていく。
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ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

3.8

50年前に2022年を予測した?ディストピアSF映画。

爆発的な人口増加と環境汚染に見舞われたニューヨーク。合成食品ソイレント・グリーンの製造会社社長が殺された事件を捜査する警官は、背後に食糧危機打
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サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

3.9

トランペット・ジャズがカッコイイ!

良い意味、予想を大きく裏切られるスタイリッシュスパイ映画だった。

上海を舞台に、日本が真珠湾攻撃を決行するまでの7日間を描いた愛と謀略の物語。
密かにスパイとし
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永遠のガビー(1934年製作の映画)

4.0

『明日はない』が好感触だったマックス・オフュルス監督作品を鑑賞。
コチラも女性の人生に迫った作品だった。

パリで人気絶頂のイタリア出身の女優(ガビー)が突然自殺を図った。麻酔をかけられ意識が朦朧とす
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.1

めちゃくちゃ面白かった。
目が離せない展開だった。

韓国の宮廷ものは一時期ドラマにハマってた。朝鮮王朝時代のドロドロ醜い権力争いに呆れつつものめり込んでた。
映画となるとやはりひと味違って、映像然り
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ショーガール(1995年製作の映画)

3.8

評判通り、超刺激的な問題作!
それでいて、超エロカッコ良いダンスムービーだった。

大胆で過激な性と暴力の描写が波紋を呼び、全米ではR指定を上回る17歳未満の入場を禁じる〈NC-17〉作品に指定された
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12日の殺人(2022年製作の映画)

4.0

“仏警察が捜査する殺人事件は年間800件以上 だが約20%は未解決 これは そのうちの1件だ”

『悪なき殺人』のドミニク・モル監督作品。
女子大生が焼き殺された事件を捜査する刑事の姿を描いた異色の犯
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息もできない(2008年製作の映画)

3.7

フィルマ始めた当初、韓国ブームもあって📎しっぱなしだった作品をやっと鑑賞。

粗暴な荒くれヤクザのオジさん(サンフン)と女子高生(ヨニ)。育った環境の似た二人が引き合うように出会い、不幸の無限ループに
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フェリックスとローラ(2000年製作の映画)

3.6

パトリス・ルコント監督が移動遊園地を舞台に、メランコリックなムードで撮り上げたラブ・ストーリー。
愛を信じられない物憂げなヒロインを、しっかりメイクのシャルロット・ゲンズブールが魅惑的に好演。

移動
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.0

遂にノーラン監督長編デビュー作を鑑賞。
そしてコンプリート。

それにしても、流石!
デビュー作からちゃんとノーランしてる。

時間軸をシャフルして複雑化させ、観る側を弄び、混乱させるだけさせといて、
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なまいきシャルロット(1985年製作の映画)

3.9

クロード・ミレールが当時14歳のシャルロット・ゲンズブールを主演に迎え、思春期の多感な少女が経験するひと夏の出来事を描いた青春ドラマ。

はぁ、可愛い!眩しい!
思春期特有のいら立ちを抱える主人公を瑞
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.2

“すでに持っているものを
求め続けるのが幸福だ“

予想より遥かに芸術的!美しくて気品と知性を感じる作品だった。
単なる飯テロ映画じゃなかった。笑

ジュリエット・ビノシュ×ブノワ・マジメル
まさに“
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

3.9

コレは久々にスコアが悩ましい。
のっけからカルト臭ムンムンの噂に違わぬアブノーマル映画だった。

35年間、暗く汚い部屋に閉じ込められ、母親に支配され育ってきたバビー。
ある日、父親が現れたことをきっ
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やさしい女(1969年製作の映画)

4.3

絵画的で芸術的!
じっくり2回鑑賞。

ドストエフスキーの同名短編小説をベースに、舞台をロシアからパリに移し、一組の夫婦のなれそめと、微妙なすれ違いから迎える結末を描いた作品。
ロベール・ブレッソン監
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ブローニュの森の貴婦人たち(1944年製作の映画)

3.7

ロベール・ブレッソン監督の初期作品。

記念日を恋人ジャンにすっぽかされたエレーヌが別の男性と観劇して帰ったところ、部屋にはジャンがいて謝ってきた。そこでエレーヌは、愛が冷めたとウソをつくが、ジャンは
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ロスバンド(2018年製作の映画)

3.9

気になってたノルウェー発の青春音楽ロードムービー。

偶に王道中の王道作品を観るとホッとする。
自分の中の心の鮮度を取り戻すのにも、立ち戻る意味でも観た甲斐があった。

100パーセント先が読める、な
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ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.8

1996年にオーストラリア・タスマニア島の観光地、ポート・アーサーで起こった無差別銃乱射事件を描いた実録ドラマ。
単独犯で死者35人、負傷者15人を出した当事件は、コロンバイン高校乱射事件より3年前に
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運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)

4.1

キアロスタミな肌触りを感じるイラン映画。
『友だちのうちはどこ?』を彷彿とさせる優しい作品だった。

兄のアリは、修理したばかりの妹の靴を失くしてしまうが、家が貧しいため親に言えず、2人で運動靴をシェ
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⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

4.0

静かに心を揺さぶられる作品だった。

仕立て屋作品にハズレ無し!

『モロッコ、彼女たちの朝』同様、モロッコ社会独特の生き辛さの中にも確かに希望を感じる。
予想外のBL展開、妻の病、重苦しくセンシティ
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ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

4.3

タル・ベーラ監督が作風を確立させたと言う記念碑的初期作品を鑑賞。

なるほど!『サタンタンゴ』を観たっきりにも関わらず、見事なオープニングに一気にタル・ベーラ・ワールドに引き摺り込まれる。
まるでタル
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勝負(かた)をつけろ(1961年製作の映画)

3.7

名匠ジャック・ベッケルの息子、ジャン・ベッケル監督の長編デビュー作。

殺人の冤罪で投獄された親友を救うためマルセイユにやって来たロベルト・ラ・ロッカは、親友を罠に嵌めたボスを殺して縄張りを奪う。しか
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あこがれ(1958年製作の映画)

3.7

トリュフォーの原点がしっかり窺える初期の短編。

監督の脚フェチぶりと変態性も感じつつ、普遍的な性の目覚めを悪童5人組を通して生々しく瑞々しく描いた作品。

ジョゼッペ・トレナトーレ監督が撮るシチリア
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NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.8

ジャケのエヴァ・グリーンが美しすぎる、でも口から出てるものが恐ろしすぎる…

観ようかな?やめようかな?悩んだ挙句…面白かった!

序盤の強引な謎展開に怯むも、エヴァ・グリーンの美しさに引っ張られ、な
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赤い手のグッピー(1944年製作の映画)

3.9

ハズレなし監督のひとりジャック・ベッケル監督作品。

ジャケとタイトルが気になってずっと観たかった作品に出会えてラッキー。

面白かった。引き込まれた。巧妙だった。

フランスの片田舎に暮らすグッピー
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ピアニストを撃て(1960年製作の映画)

3.6

トリュフォー監督のフィルム・ノワール。

微妙なレビューたちを目にしていたので、さほど期待せずに、トリュフォーブームに乗って観たけど…

ノワールにしてはピリッとしない。ゆるすぎる。シュールなギャグも
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逃げ去る恋(1978年製作の映画)

4.0

遂に、ドワネルシリーズ最終作。

順番に観たせいか、感慨深さが半端なかった。20年に渡るアントワーヌの、いやジャン=ピエール・レオの成長を間近で見てきたかようで…

前4作が綺麗に伏線として回収されて
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