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天外者のFのレビュー・感想・評価

天外者(2020年製作の映画)
4.0
激動の幕末の時代を駆け抜けた五代友厚の人生を追いながら、明治の日本の大きな変革がどのようになされていったかをスピード感を持って描いた作品。

とても良かった。いい映画だった。
恥ずかしながら名前程度しか知らなかった五代友厚だったが、生き様が本当にかっこよかった。夢を語る姿、常に先を見る力強い言葉はグッと来た。人を動かす力がある人って本当に凄いと感じる。

幕末の志士たちの改革への渇望というかエネルギーは本当にかっこいいし、この人たちが現代日本の礎を作り上げたんだと改めて感じた。同じ鍋をつついて、将来の日本を語り合うのが激アツ過ぎてとても素敵だった。一時期この時代の歴史に傾倒して本とか読みまくってたけど、その時を思い出した。長く続いた体制をぶっ壊して全く新しいものを作っていく、簡単じゃないからこそ本当に優秀な人たちがまさに命懸けで改革する感じがたまらなく好き。

「彼の葬儀の日、大阪は機能を停止した」って文があまりにもかっこよすぎて、人の価値は死んだ時に分かるっていうのを痛感した。どんな批判をされても揺るがない信念を持ち続ければ結局人は理解してくれるんだろうな。ちなみに、知識無さすぎて、ずっと誰だろって思ってたから、終盤でお前が弥太郎か、お前が伊藤博文かってなった。
個人的に歴史上の人物としての弥太郎の立ち回りがめちゃめちゃ好きなんだけど、今回の西川貴教も良いけどやっぱり自分の中の岩崎弥太郎はずっと香川照之なんだよな… あの香川照之の岩崎弥太郎より上は出てこない気がする。

音楽が安っち過ぎるのと、知識が無さすぎてそれで結局何したんですか?ってのがあんまり見えてこない点はちょっと気になったけど、アツい気持ちにさせられる素晴らしい作品だった。まぁ歴史ものは説明ベースにするとダレちゃうからしょうがない部分もあると思う。随所で名言が生まれまくるのも好き。
三浦春馬は改めて本当にいい俳優だと思うから残念でしかない…

役者陣の名演もあいまり、久しぶりに本当にいい邦画が見れて嬉しい。
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