イチロヲ

荒野のドラゴンのイチロヲのレビュー・感想・評価

荒野のドラゴン(1973年製作の映画)
4.0
開拓時代のテキサスを訪れた中国人(チェン・リー=早川明心)が、強権をふるう悪徳組織に肉薄していく。西部劇の世界に東洋武術を取り入れている、マカロニ・ウエスタン(イタリア製西部劇)。

「人気の空手映画と西部劇を合体させようぜ!」をスローガンに掲げている作品。イタリアで空手道場を営んでいた日本人が主役に抜擢されているのだが、例によって日中のチャンポン鍋が基本となっている(主演男優は「帰って来た女必殺拳」に悪役で出演)。

主人公のアクションは、生身の身体から繰り出される拳法と編集の妙によって描かれる非現実的なスーパーマン殺法の混合型。イタリア版の掛け声「えーい!」は、自分に気合を入れるときに真似すると効果覿面。

頭皮剥ぎを嗜好しているサイコキラー(クラウス・キンスキー)と、能力値をテキトーに振り分けているラスボス(ミクリヤ・カツトシ)が、珍味愛好家の舌を楽しませてくれる。そして、黒曜石のような眼をもつヒロイン(カーラ・ロマネリ)に心が奪われる。
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