所謂ソード&サンダルとかペプラムと呼ばれる古代史劇のジャンル映画なのだけど、腰布巻いた半裸のマッチョがモンゴルに支配された中国を闊歩する絵面がヤバい。
タタール人の脅威に曝された古代中国がモンゴルに助力を乞うが、かえってモンゴルによって支配されつつある状況。通りすがりのマチステによって皇太子は暗殺から逃れ、マチステと僧侶、反乱軍は協力して主権を取り戻す作戦に、という話。
マチステの腰巻が赤いので、いっそう滑稽な感じなのだけど、赤は中国の色ということなのか。現地人は半裸でもズボンを履いているので、マッチョの赤い腰巻はなかなかに異様。その半裸の肌をテカテカさせたマッチョが尋ね人を探して、証となる指輪を相手に嵌めていく様子に倒錯感あり。
シネフィルの人も評価するリカルド・フレーダはどちらかというと変な映画の監督という印象。これもその一つ。画質ボケボケのうえブラウン管テレビサイズにトリミングされた英語吹き替え版しか見てないので、構図の良さは良くわからず。大僧正の死体の迫力が怖いのは、ホラーにも定評のあるフレーダならではかな？怖い。終盤のなんだそりゃな展開は脚本家のせいかもしれないけど変な映画。でも海外では評価されてる様子。謎。
ところでマチステは古今東西問わず突然現れるヒーロー。場合によっては召喚されたり、遺跡の棺の中で見つかったりする（黄金バットか！）。サイレント時代のバルトロメオ・パガーノのあと、60年代に復活するとマーク・フォレスト、カーク・モリスなど同時期に複数（9人以上？）のマッチョによって演じられた。ゴードン・スコットもその中の一人で2作ある。元ターザン俳優なので腰巻姿は（赤いけど）ターザン的と言えなくもないかもしれない。公開処刑で疾走する首刈馬車を止めるスタントなしのアクションはさすがターザン俳優！で見所になっている。
中国の姫役に主にヨーロッパで活躍した谷洋子「金星ロケット発進す」。その恋人で反乱軍のリーダーはガブリエーレ・アントニーニ「ヘラクレス」のユリシーズの人。

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