MSTshozi

サマーフィルムにのってのMSTshoziのレビュー・感想・評価

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)
4.4
夏!高校!映画作る!

もうコテコテのジャンル映画的展開を詰め込み詰め込み、それ故に細かいところは省略できる。
お決まりの、アレなんで☆で済んでしまう。

ただ、こうすると、はいはい、お決まりのね…と流されてしまいかねないところを、それらの種々のジャンル的要素のバランス感、役者の実在感、躍動感、キャラ付け、諸々が緩くもバランスよく配置されていてカケラも飽きない。捻ったことで弾き飛びそうなところが、しっかりと結びついていく。

部内カーストトップへの怨嗟、そこから積み重ねた結果の理解に至る様は気持ちよく、何より煽りに煽っているラブコメ的映画な要素をこの映画がしっかりと携えているのがまた面白い。

そして途中、ビート板をブルーハワイが慰めるシーン(ゴリ押しのあだ名とか良いよね。)、ここでビート板が気づいたのってそういうことで良いんだよな?冒頭の2人の会話が、劇中劇のあれと同じ構図だし、ここまでの描写の積み重ねや、ブルーハワイからのフォローへのリアクション、そういうことだよな?
コテコテの古典のフリをしてサラリとこれを混ぜこむ手腕には感服する。こういったことがまた映画の魅力だったりする訳で、映画に言及していく作品として、うめぇよ、うめぇよ…

ラスト、ここの熱量が最高だ。
演劇的な展開に置いていかれるかと思いきや、2人の表情、言葉、一気に持っていかれる。そうはならないだろ!なんてツッコミは当然、だが、いや、こうだ!押し付ける!投げつける!そこからのまさに切れ味抜群のエンド!気持ちいいいいい!

チャンバラしたい
MSTshozi

MSTshozi