求めていた最高の青春フィルム。"学生"の今だからこそ解る儚くて大切な一瞬をギュッと詰め込んでくれてる。
映画部員が作る底辺キラキラ映画が嫌いだから、アンチテーゼとして自主制作で時代劇を撮る話なのに、ガチキラキラ最高青春爆発熱量SFラブコメ時代劇映画してて…………盛りだくさんすぎる。どのジャンルに属せば良いのか。でもジャンルをわまとめると、「これ以上の青春あってたまるか」ってくらいにしんどいほどに青春してる。
この先ちょっとネタバレがある
「今この瞬間がこの映画のクライマックスです」「剣は告白で つまりこの切っ先をあなたまで届けるから」「この映画を見たリンタロウが未来で映画を繋いでくれる」
序盤で読んでいた「時をかける少女」の小説、あれが意味あるものなんて思わなかった。
「未来で待ってる」と時かけの千秋は言った。この映画の凛太郎は、待っているのではなく自ら繋いでくれようとしている。実際にどうなったかはわからない。けど、凛太郎が帰った未来ではきっとまた映画は存在していると希望を持てる。持ちたい。そう思わせてくれる。
だからこそ「あなたの映画が好きです」という言葉が突き刺さる。「あなたが好きです」は叶わないけど、あなたの映画はいつどの時代でも何年経っても色褪せることもなくなることもないもんね。
この映画が終わることで、それぞれの未来が始まる。描かれていないのが良い。それまでの過程で、ハダシはきっとこのまま凄い映画監督になっていく未来を歩む。凛太郎は未来に帰って、映画を繋ごうと努力し始める。「さよなら」の一言がこんなに希望に満ち溢れていることも珍しい。
終わり方が好き。全体的に好きだけど、本当に終わり方が好き。好きなものを終わらせたくないという強い意志、戦う姿、みていて本当に気持ちが良い。
