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ミッドナイト・スカイのogata08のネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

SFサブジャンル:終末SF、宇宙SF

(あらすじ)
地球は大気汚染により、住める土地は存在しない。北極の観測所にいるオーガスティン博士は家族もおらず、最期の時を北極で過ごすことを決める。比較的空気がきれいな北極にいた人々も家族をつれて自宅に帰り、オーガスティンは一人に。その後、観測所内で取り残された一人の無口な女の子(アイリス)を発見し、ともに過ごすことになる。
オーガスティンは若かりし頃、K-23という木星の衛星は人類にとって居住可能であろうことを指摘していた。そのK-23の探索が終わり、地球に戻る途中の宇宙船乗組員たちに、オーガスティンは通信を試み、地球には住めないことを伝えようとする。
その宇宙船に乗っていた女性の名がアイリスで、かつて別れた女性の娘、つまり自分の娘であることに気づく。(観測所内にいた女の子アイリスは余命少ないオーガスティンが見た幻覚だった)

(感想)
2016年のSF小説「世界の終わりの天文台」の映画化。原作は未読で映画視聴。面白かったです。北極側、宇宙側ともに過酷な環境が恐ろしくて、スリリングなサバイバルが楽しめたし、最後はしっかりどんでん返しと感動もあり。少女アイリスがオーガスティンが見た幻覚だったとは気づかなかった。少女アイリスがアヤメ(英語でアイリス)の絵を描いていたことから、オーガスティン博士はこの子がアイリスという名前だとピンとくるシーンも、「え、それで気づく?」という違和感も実は伏線だったわけです。
『GRAVITY』よろしく、宇宙シーンはリアリティがある。マヤの出血シーンで大量の血液の玉がふわふわと浮くシーンはなかなかの見ごたえ。こういう「宇宙だとこうなるのかな」という気づきがあると宇宙SFとしては楽しい。

個人的には、過去シーンの説明をもう少し欲しかった。若かりし日のオーガスティン博士役、ジョージクルーニーと見た目が違いすぎて、別人の話かと思った。もっと言うと、若オーガスティンの講演の時(キレイめ)と普段の時(ひげもじゃ)の差もありすぎて、これ誰のなんのシーン?状態だった。(そのせいでラストシーンの衝撃はひときわ)

大傑作とは言わないけど、結構よくできてる。Netflixがこれくらいの質の作品を量産できるということ映画業界は戦慄することだろう。
Netflixのドラマは似たような展開(こういうシーンがあれば人気出るというリストがあるのだろう)が多すぎて冷めがちだけど、映画はなかなか良い。
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