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オールドのJIZEのレビュー・感想・評価

オールド(2021年製作の映画)
3.6
バカンスで秘境のビーチを訪れた一家が異常な速度で時間が進む怪現象にみまわれる。怪匠M・ナイト・シャマランの最新作。全編ほぼ穏やかな"浜辺"というワンシチュエーションでその奇抜なギミックの設定から、公開時はかなり気になっていたが時間が合わずようやく回収した。おもにビーチのその地帯では、急速に老化したり、逃げようとすれば意識を失う、などシャマラン流に"老いへの恐怖"や一寸先は闇の"人生のメタファー"をシニカルにまぶしてる。主要キャラたちそれぞれの犠牲となるアプローチもさまざまで、残された人生や肉体の脆さを体現してるようである。若干 冗長すぎるシーンも幾つかあり、それもまた乙でシャマラン映画。シャマラン前回のブッたまげた『ミスター・ガラス(2019年)』から、ふたたび古典の懐かし味あるアプローチへ回帰したわけだが、こういう古めかしさとデジタルを装う作品がやはりおもしろい。今後も時代に囚われずのアプローチで、シャマランの映画を観たいと思える1本にまた出会えました。
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