どうせつまんねーんだろ、と舐めてたら思いの外楽しめた。
舞台は綺麗だが何故か急激に身体が老けるビーチ。短時間で腫瘍が巨大化したり若者が子どもを授かったりしてそれはもう大変なことになる。でも登場人物たちがなんやかんや出産やら手術やら臨機応変に順応して逞しかった。ワンシチュエーションものだがキャラクターにそれぞれ個性があって楽しめる。各々の職業やバックボーンを活用して危機を乗り越えようと奮起する。精神疾患の医者の「マーロン・ブランドとニコルソンが共演してた映画なんだっけ？」としきりに周囲に聞くのはツボ。
また、色使いが秀逸。控えめだが鮮やかな色の出し方でビーチの美しさに相まって見惚れた。
失神したらなぜか渓谷の入り口に戻るあたりやっぱり設定に甘さを感じた。だが、本作の謎はシャマランにしてはわりと説得力のある方だった。最後はダラダラと解説くさくて蛇足に感じる。スパッと切った方がベターだったように思う。それでも、総評として久しぶりに観たシャマラン作の『オールド』はミステリーだけじゃなく人間ドラマもなかなか見応えあり、面白かった。
