みゅー

記憶の技法のみゅーのレビュー・感想・評価

記憶の技法(2020年製作の映画)
3.3
オンライン試写会にて一足先に鑑賞。
タイトルにもある「記憶」を探す少女のお話。

主人公・華蓮(石井杏奈)は時折頭をよぎる記憶に悩まされている。
そんな時にパスポート申請で戸籍謄本を見て自分が養子であること、姉がいたことを知る。
学校で周りからヤバいやつ認定されている穂刈と一緒に、失われた幼少期の記憶を探しに福岡へ。


前半で穂刈が働くバーで客が交わす「記憶」に関する会話。
若干やらせ感あるので違和感もあるけど、そこでの会話は分かりやすいくらいの伏線(伏線にもなってないかも)。
「記憶の検索失敗説。記憶はなくなったわけではなく、検索ワードが分からなくてアクセスできなくなっているだけ」
なので、後半では自分が過した地で華蓮は断片的に記憶を思い出していく。

思い出した記憶は、想像するだけで恐ろしいもの。なので、思い出した後の華蓮が割とあっさりしていたからちょっと違和感があった。


また、穂刈も色々抱えているけど、ほとんど触れられないのでちょっと残念。キャラ設定からも厨二感がどうしても拭えない。
ただ、ずっと「あなた」って呼んでいたのが「華蓮」呼びになるところはときめいた。

心配性の母親が、娘からの電話に聞きたいこと・言いたいことはいくらでもあるのにそれを押し殺して自分の中に留めるシーンもよかった。


全体的に静かな中で、記憶のシーンでは真っ赤に染まる画面。また、金魚の赤。
赤色が効果的に使われている作品。


自分のいちばん古い記憶は何だろう。
みゅー

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