記憶の技法の作品情報・感想・評価

上映館(3館)

記憶の技法2020年製作の映画)

上映日:2020年11月27日

製作国:

上映時間:105分

ジャンル:

あらすじ

「記憶の技法」に投稿された感想・評価

MM

MMの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

多分私がミステリー好きだからだと思うけど割と好きだった。

今日の4本目で、3本目までが重い話だったせいか、この作品は重くなくて見やすかった、
血はあるものの、殺害や死体のグロいシーンが無かったし、この主人公は救われたから、気持ち的には楽だった、

ただ、高校生には見えないな!
うーん終始もうちょっと面白く撮れないのかな、という感じでしか見られなかった。

邦画特有の、メリハリのない演出、演劇のテレビ中継を見ているようなキャラに寄らないカメラワークでただ遠目から傍観してるだけ、がとにかくスイマーを誘ってきてきつかった。

やりすぎると漫画になっちゃうし、好みの問題もあるんだろうけど、本当に淡々と進むだけの映画は苦手。。。

物語に入れれば多少の設定の強引さなんて吹き飛ぶんだけど。

原作全く知らないけれど、お話自体はそんな悪くないと思うんだけどなあ。
つエ

つエの感想・評価

3.5
やや自己中心的にも思える真っ直ぐさの巻き込み型ヒロインと冷静で計算高いサポート役という二人が、失われた記憶の謎を解くために旅をする漫画原作のミステリ風ロードムービー

高校の同級生男女二人だけの旅ながら余計な恋愛要素は排し、依頼人のお嬢様とお供の探偵といった体のバディとして関係性を描いたのは観易さという点では良かったと思う
また、謎の核心にあるのはかなりセンセーショナルな事件なのだが、その生々しさや刺々しさを極力抑えた回想シーンも、ノスタルジックな美しさを感じさせて映像としての完成度は高かった

途中ヒロインが唐突に福岡から日帰りで釜山に行くという、ロケ地の観光PRとしか考えられないような謎の行動を取ったり、そこそこ魅力的な相棒役のキャラクターの掘り下げに少し不足を感じるなど、不満な部分・物足りなさはあるけれど、全体的には繊細で抑制的な物語運びで好感を持って観られた
nsd

nsdの感想・評価

3.3
幼少の頃の記憶をなくした女子高校生の自分探しの旅。舞台はほとんど福岡市内で展開し、地元民からするとお馴染みのスポットが多数登場。ついでに釜山がちょこっと出てくるけど、ガチャガチャ撮ってきましたって感じがするから、いらなかったんじゃない?かと思う。ラストシーン、東京のはずなのに、後ろの方に西鉄バスが映ってるのもご愛嬌。さて中身の方は、このスマホ時代、謎解きの過程に無理があって残念な…。過去の新聞紙面は良かったけど、もっと早く真相にたどり着けそう。

このレビューはネタバレを含みます

時生~!!
杏奈~!!

時生の存在感
彼の気持ちもなんか分かるなぁ。俺でもそう考えるかも

ラスト
それまで冷たかった穂刈の吐露が、
ここまでどれだけ辛かったかを感じさせ、
切ないながらも華蓮が彼にとって大事な存在になったんだなと結構感動しました。

その彼女のハグが彼にとってどれだけの価値があるか
A

Aの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

原作好きすぎると映画そのものをうまく評価できないからあれなんだけど、わたしが好きな原作からはだいぶ質感の違うものになっていた。メディアミックスに際しての改変は必要なものだと思うけど、おかしな解釈をされたり主題の取り違えはちょっと……

まず、怜もかれんも原作とはまったくの別人だった。かれんは子供で先々のことを考えられてないけど行動力はあるし、本来は自分の意志がちゃんとある子。基本的になにごともかれんが自発的に動いてそれを現実的な面から怜がサポートしてる、って関係のはずなのに、怜がかれんを引っ張っていく関係に改変する意図がわからない。怜をプレイボーイみたいに描く意図もわからない。「お兄ちゃん」のことをあんなウェットに描くのもそう。改変されたすべての意図がわからない。なんかもうそれは吉野朔実ではないじゃん、っていう。

怜とかれんの性格や人間としてのあり方が、作中でわたしが一番好きなやりとりである「好きって言うのは簡単だけど、嫌いとか苦手とか言うのは難しいね」/「逆の人間もいるよ 嫌いって言うのは簡単なんだよ 好きなものがわからない人間だっているんだ」につながる、と思ってる。ふたりの造型がよく表れてるやりとりだからすごく大切だと思うのにカットされていて、だけどまあ映画だとふたりの性格がだいぶ変わってしまってるからそりゃ入れようにも入れようがないよなと思った。

最後にかれんが怜を抱きしめる、というのは同じなのに、映画だとふたりをロマンスの文脈に組み込もうとしていたような気がして本当ーーにそれだけはやったらダメなのに、って思った。違うじゃん。

あとは細かいかもしれないけど気になったのは時代のちぐはぐさ。20年くらい前に描かれてる原作から時代感覚がそのままの部分とアップデートされてる部分(言うてiPhone使ってるとかそれくらい)が混ざってる違和感がすごくて気が散った……現代の10年20年ってだいぶ大きいと思うから余計に、それでいいのか?と思った。

というわけで原作が好きすぎるがゆえの敗北って感じなんだけど、そんな中でも石井杏奈ちゃんの笑顔は宝物だなと思った。ほんの一瞬なのに威力がすごくて、LDHと邦画界はあの笑顔を大切にしてくださいという気持ちです。奇しくもE-girlsのニュースが入ってきた日に見たから余計に!
 序盤は坦々と流れる。この段階では複雑な人間関係はなく、学園モノで見かけるいじめも、マウンティング争いもない。その後はやや強引な展開で、普通なら直接本人たちに聞くだろうと思われる場面でも、なぜか殆ど知らない人間を頼る。マンガみたいだと思ったが、どうやらマンガが原作らしい。
 終映後の舞台挨拶で池田千尋監督が明かしていたが、撮影から公開まで何かの事情で3年もかかったとのこと。主人公の華蓮を演じた現在22歳の石井杏奈は撮影当時19歳。3年経って、ほっそりとして美しい女性になり、オレンジ色の光沢のあるドレスがとても似合っていた。この人をはじめて見たのは2016年のTBSのドラマ「仰げば尊し」の吹奏楽部の部長役で、真面目に悩む女子高生が印象的だった。本作品では少し無理のある脚本を力技で演じ切ってみせた。演技力というよりもこの人が持って生まれた独特なキャラクターが、演技に厚みを加えていると思う。それも才能のひとつである。
 とはいっても作品の中で一番演技が光っていたのは、やはりというべきか、柄本時生である。この作品はネタバレしたら面白みが半減するので迂闊なことは書けないが、映画サイトで紹介されている「金魚屋の青年」という役は、華蓮にとって大変重要な役割を果たす。この役の存在で物語がリアリティを保てたと思う。
「氏より育ち」という諺のとおり、愛情豊かな優しい養親のもとで育てられた華蓮は、思いやりのある優しい人間になった。これが物語の大前提で、意地悪にひねくれた女子高生が主役だったらこの映画は成立しなかったと思う。
 福岡へのルーツ探しの旅で、華蓮は短時間のうちに人生について学び、自分の心を掘り下げていく。そして過去の記憶を明確にすることで、過去との柵を断ち切る。可憐な女子高生の成長物語で、幸せを予感させる爽やかな印象の作品だった。
2020.11.28.PM.16:00

分類はミステリーかもしれませんが、展開が読めないわけでは無く、結末は可哀想な過去ですが、そんなに暗さも無かったので観やすい映画でした。未だに高校生役を演じるのもスゴいですね。
ワンコ

ワンコの感想・評価

3.8
【記憶をめぐる…】

抑揚のない演出に好き嫌いはあると思うが、原作のおそらく意図するところを、丁寧に伝えようとすることが感じられる。

多分、映画の途中から、そんな大事件なのであれば、早く検索すれば良いのにと思う人も多いと思う。
記憶の検索ワードという表現も出てきて尚更だと感じる。

自分もそうだった。

だが、自分の記憶の奥底に潜むキーとなる出来事から、呼び起こされる記憶と、検索して得られる情報には明らかに違いがあると、途中、気がつく。

それは、普段生活する中で、記憶に留めて自分の言葉で話す人と、検索を多用するだけで、上部で話す人の説得力の無さの違いにも感じることに近い。

実感が異なるのだ。

凄惨な事件を背景に、華蓮が自ら封じ込めた記憶には、自分にしか解き放つことが出来ない何か鍵となるピースが必要だった。

華蓮の、
封じ込めた記憶、
取り戻したい記憶、
二つの家族との葛藤と、
生き残ったという事実の裏に潜む真実と記憶。

華蓮をあなたと呼ぶ怜の、
忘れたい事実と、
封じ込めることのできない記憶。

金魚屋の青年の、
向き合い続けた事実、
良心の呵責と、
すがって来た記憶。

これらの対比が、凄惨な場面を描かずとも、淡々と綴られる物語のなかで、観るものの心を締め付けて行く。

僕達、人間だけが持つ、記憶をめぐる出来事と、僕達だけに与えられた記憶をめぐる葛藤を表した佳作だと思う。

このレビューはネタバレを含みます

点在するような過去の記憶を探る女子高生とそれを助ける謎めいた男子生徒の旅。

巧みな脚本もさることながら、徐々に明らかになってくる主人公の記憶の引き出し方が、演技、編集、音楽、キャメラ等で計算されているように見受けられた。これを演出と言うのだろうな。監督は、「クリーピー」の脚本も手掛けた池田千尋で、師匠の黒沢清監督の影響も感じるが、それよりも人間を描く方に重点を置いてる風に感じた。
それは、(若い主人公たちも頑張ったが)戸田菜緒や柄本時生らの役の心情が出た演技をしていた事からも窺える。

名前、覚えておこう。